ご挨拶

日本地域看護学会第28回学術集会 学術集会長
石田 千絵

日本赤十字看護大学地域看護学教授

 時下、益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。

 平素より、本学会に格別なるご支援、ご協力を賜り厚くお礼申し上げます。

 日本地域看護学会は1997年(平成9年)10月に発足、2014年(平成26年)11月に一般社団法人となった会員数約1,400名の学術団体です。2019年(令和元年)には、国民の暮らしと価値観の変化を背景に更なる地域看護の学術的発展を図るため、看護職の共通基盤として地域看護学の再定義を公表しました。

 地域看護は、地域を基盤としたあらゆる対象、あらゆる看護活動、そしてあらゆる人々との協働による継続した包括的な活動であり、このような対象・時間・空間・活動の広がりと多様性、包摂性に特徴があります。本学会では、コミュニティと協働しながら効果的に看護を提供することで、人々の生活の質の向上や健康で安全な地域社会の構築に寄与することを目指しています。

 2025年は団塊の世代が後期高齢者となる節目の年として、「地域包括ケアシステム」の構築が推進されてきました。さらに、高齢者に限らず、多様な全ての人々が生きがいを持ちながらそれぞれの人生の主役となって暮らし、世代や制度等の垣根を越えて仲間となって暮らせる「地域共生社会」に向けた取組みが進められてきています。

 そこで、本学会では、地域看護にとっても節目の年となる2025年に、多様性に寛容な東京都渋谷区で、「地域共生社会のこれから ~全ての人がつながりあう社会をつくる~」をテーマに第28回学術集会を開催することにいたしました。

学術集会では、地域共生社会に関わる基調講演の他、多様な人々を主役としたシンポジウムや交流集会を開催します。また、日本赤十字看護大学の強みを活かし、安全で安心な暮らしに繋がる健康危機管理の視点も含めた実践の科学としての取組みを体験していただけるような工夫をいたします。参加される全ての方々が、人々との交流等により学びや気づきを得て、日々の活動のモチベーションにつながるよう、最善を尽くす次第です。

 本学術集会の開催にあたりましてはできる限り自助努力で運営してまいりますが、本学術集会を目的に沿って充実させ、その成果を着実なものとするためには、各方面からのご支援、ご協力を仰がざるを得ないのが実情でございます。研究、教育を発展させるとともに、一層の社会貢献を果たすため、本学会の趣旨に深いご理解とご賛同をいただき、格別のご高配を賜りますようお願い申し上げます。

 末筆ではございますが、皆様方の益々のご発展を祈念いたします。

2024年 5月吉日