会長挨拶

第47回日本中毒学会総会・学術集会
会長 
添田 博

東京医科大学病院 薬剤部
一般社団法人日本中毒学会 理事

「連なって深める中毒診療」

今回、私たちが第47回日本中毒学会総会・学術集会を開催させて頂くことになりました。
中毒診療は臨床医だけではなく、看護師、臨床検査技師、薬剤師などの多職種の医療従事者だけではなく、救急隊や警察、法医学、基礎医学等の研究者、製薬企業をはじめとした多くの企業など、さまざまな職種が関わっています。
その理由のひとつとして、中毒の原因となる物質が医療用の医薬品のみならず、一般用医薬品、化学薬品、自然毒や化学・工業製品といった様々な物質が知られています。よく知られている既知の物質だけではなく、これまでに報告がほとんど無いような物質による中毒の報告がされるなど、中毒学は日々進歩しています。

今回は「連なって深める中毒診療」をテーマに据えています。これは、中毒診療のスタートがまずは中毒を疑って、中毒である可能性を「連想・想起」することから始まります。中毒の可能性を考えて診療が開始された後は、多職種による「連携」により原因物質に関する情報を収集したり、検査分析等により原因物質を特定したり、といったことが行われていきます。このように、「連」によるより深い中毒診療について考えてみたいと思います。

様々な職種の参加者のみなさまにご満足いただけるような学術集会を目指して準備を進めて参りたいと思います。是非とも各施設のみなさまが、「連なって」ご参加いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。