会長挨拶

千葉看護学会 第31回学術集会
学術集会会長 
池崎 澄江

千葉大学大学院看護学研究院 教授

 このたび、千葉看護学会第31 回学術集会(CANS31)を 2025 年 9 月 13 日(土)に千葉大学(亥鼻キャンパス)にて開催いたします。千葉大学での現地開催は、第25回(2019年)以来です。大学に何かしらご縁のある方はもちろん、この学術集会への参加を機に、一人でも多くの皆様が千葉大学看護学部キャンパスにいらしていただけることを、心より願っております。

 CANS31 のメインテーマは、「看護における個の力・組織の力」です。ご存じの通り、日本は少子高齢化による人口減少社会です。看護サービスは工場の製品とは異なり、技術革新で劇的に大量生産をできるものではなく、人の手間がかかります。しかし、その人手(ボリューム)がもはや期待できない時代です。既に運輸や建築における人手不足は社会インフラへの影響も深刻であり、日本全体で誰がどのように働いて世の中の仕組みを維持していくべきか、働き方改革は医療の世界にとどまりません。私たち一人一人が、どの持ち場であっても、創意工夫へのモチベーションと職業人として自律性をもって、目の前の職務に取り組むことが、これまで以上に求められているのではないでしょうか。また、それを支えるのが組織の役割です。人は社会的動物であり、組織における自分の立ち位置や組織からの承認に、関心を持たずにはいられません。

 本学術集会では、職業人としての看護の営みには個の力と組織の力が相互に影響していることを改めて認識し、両者の力がいかんなく発揮できるための知について、皆様と議論し共有する機会としたいと考えています。そしてその先には組織や学問という壁を超えるような、社会への波及や創造につながるような未来を、参加者の皆様とともにイメージできたら幸いです。

2024 年 12 月吉日

千葉看護学会第 31 回学術集会
学術集会会長 池崎 澄江