医療の質・安全学会　第8回学術集会を、2013年（平成25年）11月23日（土）、24日（日）開催することとなりましたので、各界のご協力を賜りたくご挨拶申し上げます。

　医療の質・安全学会は2005年に高久史麿理事長を中心に設立されました。設立以来、当学会には医師、看護職のみならず薬剤師、臨床工学技士、検査技師など医療系の各職種、そして工学系、社会学系研究者の方々に参加していただき、多職種横断的な運営がされているのが大きな特徴です。設立趣意書では医療の質と安全をめぐる諸問題を解決するためには「医学の枠組みを超えさまざまな視座と幅広い英知を集めた学際複合的な研究とその知見を実際の医療に役立てる取り組みの推進を通じて、新しい医療のあり方、システムとして患者本位の医療の質と安全を保証するしくみを創り出す必要がある」と述べています。
　医療は元々“病”というマイナスの地点から健康という標準点近くまで押し上げる手助けをするものですが、本邦では急速に高齢化社会を迎える中で、提供すべき医療はますます複雑化かつ高度化しております。それによりリスク増大の懸念を生じており安全学への期待が今まで以上に高まっております。安全なくして質は保証できません。両者は車の両輪とも言えるし、安全は良質であることの絶対条件であるとも言えます。安全が基本に据えられた良質の医療を多職種連携、更には社会との相互関係で作り出す、学術集会をそのための研究発表、実践発表の場にしたいと考えます。そして第7回までの大会長が築いてこられた学術集会の到達点を引き継いでいくことが第8回大会の責務と考えています。
　また、製薬会社、医療機器メーカー、薬事などの行政、他学会などとも議論を深め、質と安全をキーワードに協働してまいりたいと考えています。現代はあらゆる分野に質と安全が求められていると言っても過言ではありません。
　そうした各領域を束ねたイメージも重ねて「チームで良くする医療の質、質を支える安全学」をテーマといたしました。なにとぞ、各界からのご協力とご支援をお願いする次第です。