会長挨拶

第36回日本小児整形外科学会学術集会
会長 
稲葉 裕

横浜市立大学整形外科学教室 教授

第36回日本小児整形外科学会学術集会の開催にあたって

 この度、第36回日本小児整形外科学会学術集会を2025年11月28日(金)~29日(土)の2日間、パシフィコ横浜会議センターにて開催する運びとなりました。伝統ある本学術集会を運営する機会をいただきましたことを光栄に存じます。

 私が整形外科医となった約35年前は、整形外科の日常診療の場で小児整形外科疾患に多く遭遇し、小児整形外科診療の重要性が認識されておりました。実際に私が神奈川県立こども医療センター整形外科に勤務していた30年前は、外来には多くの小児整形外科患者さんが紹介され、手術や施設入所待ちも3~6か月という状況でした。当時の私は小児整形外科の魅力と共に、小児整形外科診療の奥深さを実感しておりました。

 現在、わが国では少子高齢化により小児整形外科疾患を経験することが以前より少なくなっております。しかし小児整形外科診療の重要性は変化しておりません。未来を担うお子さん達をできる限り後遺障害を残さずにしっかり治療することはとても大切なことであり、お子さんの数が以前より減少した現在では、その重要性は一層大きくなっていると言えるかもしれません。また近年では、コンピュータ支援技術やAIなどの先進技術が医療にも取り入れられて、新しい時代を迎えております。

 そのような背景の中、今回の学術集会のテーマは、「Towards a new era of Pediatric Orthopaedics」としました。本学術集会では、小児整形外科疾患の残された課題とともに新しい時代の小児整形外科診療について議論し、今後の治療成績の向上を目指したいと考えます。本学術集会が小児整形外科分野の更なる発展の一助となることを目指して開催させていただく所存です。

 日本小児整形外科学会は会員数が1000人規模の学会ですが、会員の先生方の小児整形外科に対する思いが熱く、非常に活発な学会です。本学術集会では、多くの先生方に横浜にお集まりいただき、活発な討論と懇親を行いたいと思います。有意義で参加して良かったと思える会にするべく精一杯準備させていただきます。皆さまを横浜にお迎えできるのを楽しみにしております。

謹言

2024年12月吉日

第36回日本小児整形外科学会学術集会
会長  稲葉 裕
(横浜市立大学整形外科学教室 教授)