会長挨拶
第40回 日本DDS学会学術集会 大会長ご挨拶
記念すべき第40回大会の大会長を仰せつかりました筑波大学の長崎でございます。2024年度の日本DDS学会学術集会を7月9日(火)、11日(木)に、茨城県つくば市のつくば国際会議場にて開催いたします。コロナパンデミックが終息し、第39回大会は完全オンサイトで行われましたが、第40回は一部をハイブリッドで開催する予定です。
サリチル酸のアセチル化によるアスピリンが実用化されて以来、100年以上にわたって有機合成を基盤とする”くすり”の研究開発が行われ、たくさんの人々を救ってきているものの、最近では新薬候補の枯渇が叫ばれるようになってきています。タンパク質や細胞がくすりになり、有機合成に取って代わる勢いであるものの、数千万から億に達するその薬価が新たな問題となっています。既存薬物の体内動態を大幅に変えることができれば、副作用を抑制し、夢の薬物治療が可能になります。まさに今こそDDSの時代です。そこで、第40回大会では「新たな挑戦の舞台へ!」をテーマとし、これまで積み上げてきたDDS研究を基盤として新しい挑戦への一歩を踏み出すべく、実りのある大会にしたいと思います。
本学術集会では、学会本部より40周年記念シンポジウム「日本DDS学会の過去を知って将来を考える」、および40周年祝賀会を企画します。大会からは新たな挑戦に向けたいくつかのシンポジウムに加え、参加者とともに議論するワークショップを企画します。国際化を踏まえて英語セッションも予定しています。ハイブリッドで行いますので、国内外の外国人研究者のみならず、日本人研究者にも英語でご発表いただき、日本のDDS研究を世界にアピールする場にできたらと考えております。さらに大会前日の7月9日午後には教育講演を企画しております。境界領域のDDSはある領域では常識でも他の領域ではそうでない場合もあり、DDS研究のポイントとなるコンテンツを第一線の研究者によってご紹介いただきます。さらに並行して展示出展企業によるプレゼンテーションを予定しております。展示企業の新しい技術や測定法などを半日かけて聞くことができますので、新しい情報収集が可能です。気になる装置は大会会期中に展示サイトでさらに深く議論できます。
このような様々な企画の下、第40回大会を熱い議論と交流の場にしたいと考えております。皆様のご参加、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
第40回日本DDS学会学術集会 大会長 長崎幸夫
(筑波大学数理物質系)