ディスカッション主体に:胃癌研究会時代には短時間の発表とそれに基づくディスカッションが主体でしたが、学会が設立されてからは限られた時間の中で十分に討論されがたい状況も生じているように思います。そこで、今回は初心に立ち返り、ディスカッションを主体とした学会にしたいと考えております。一般演題はしたがって、一部を除いてポスターおよびディスカッションの形式でご発表いただきます。そして、3つの主要会場では、手術、化学療法、内視鏡治療、病理などにおけるホットな話題についてディスカッションを主体としたプログラムを作成しました。ディスカッションが尻切れトンボになるのではなく、ディスカッションの結果をある程度その場で取りまとめられるように努力したいと思います。
テーマについて:学会のテーマは「胃癌制圧への道を探る―現状と夢と」といたしましたが、ディスカッションによる意見の取りまとめはテーマの「現状」に相当するかと思います。「夢」にあたる部分は、ポスターで発表される一般演題の中にこそあると考えております。また、その夢を取りまとめるために、特別企画「胃癌制圧への道を探る」を開催したいと考えております。
取扱い規約とガイドライン:現在、胃癌取扱い規約とガイドライン改定が同時に進行しております。先日の理事会、評議員会でご報告したとおり、両委員会の役割を明確にすること、取扱い規約は頻繁の改定を避けること、一方ガイドラインは迅速に改定すること、そして2009年には同時改定されることがきまりました。それに対応して、総会では、取扱い規約とガイドラインに関しても時間を大きく割きたいと考えております。
サテライトシンポジウム、公開市民講座:総会終了後の3月7日、8日に、アジアを中心とした海外の参加者とともに、サテライトシンポジウムを京都市の国際交流会館で開催する予定です。取り上げるテーマは、腹腔鏡下手術、化学療法などです。また、胃癌に関する知識を広く全国に伝えるために公開市民講座も、東京都ではなく京都市で開催することといたしました。
参加した皆様から、「発表して、聴いて、発言して、よかった」といわれる総会にすべく努力する所存です。
大勢の皆様のご参加をお待ちしております。
第81回日本胃癌学会総会
会長 山口 俊晴
(財団法人 癌研究会有明病院 消化器センター長)
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