会長挨拶

 第47回日本重症心身障害学会学術集会を12月1日(木)、2日(金)の2日間、東京で開催します。島田療育園(当時)の小林提樹名誉園長が1975(昭和50)年に第1回日本重症心身障害学会を国立病院管理研究所で開催し、その後1986(昭和61)年に第12回を障害者スポーツセンターで開催するまで連続して小林名誉園長が会長を務めました。35年が経過して今回再び島田療育センターが担当することになりました。
 いまだオミクロン株を中心とした新型コロナの見通しが不透明な現在、第47回の開催方法がいまだ完全には決めきれない状況です。今のところ東京お台場にあるTFTホール・TFTビルを2日間確保してあり、基調講演、特別講演、教育講演、シンポジウム、看護研究応援セミナーなどを中心としてお台場での現地開催を予定しております。一般演題はWEB配信により行い、全体としてはハイブリッド開催となる予定です。
 大きなテーマとして「重症心身障害児者の原点に学ぶ医療、福祉のこれから」としました。重症心身障害児者本人の気持ち、彼らを支えているご家族を中心とした方々のお気持ちや考えを知って私たち医療、介護者は行動しなくてはなりません。その意味で重症心身障害児者問題の原点を熟知してこれから先の未来を考えていく必要があります。
 ご本人の気持ち、その代弁者としてご家族の気持ちやご意見をしっかりと受け止めることを重症心身障害児者療育の原点ととらえて、看護師の立場で重症心身障害児者やその方々が入居する施設の歴史を含めた研究を続けてこられ、「くらしのなかの看護」の著者の窪田好恵様に基調講演をお願いしました。また親の立場から「私は私らしい障害児の親でいい」の著者で、日本ケアラー連盟代表理事の児玉真美様、「ゆっぴいのばんそうこう」の著者で現在は東京都国立市議会議員の石井めぐみ様にも講演していただきます。そのほかシンポジウムとして摂食嚥下、栄養の問題、難病の在宅介護の問題を取り上げ、教育講演としては、参加してくださるいろんな職種の方々に役立つ講演、その他企業との共催セミナーを予定しております。一般演題については今のところWEBが主体となると思いますが、活発な議論ができるように工夫したいと思います。
 また、中断していました学会恒例のファッションショーも復活することとなり、楽しみにしています。
 新型コロナとの共存を求めて人間社会とウィルスがどのように対峙していくのか、大きな問題を抱えながらの学術集会の開催ですが、先の光が見える学会になることを祈りながら、会員皆様方と協力して実りある学会にしたいと思っております、どうか会員の皆様方が充実感を感じられるような形にすべく努力したいと思いますので、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

追記 2022年6月20日

開催方法について

 ご挨拶の文章作成当時は新型コロナウイルス感染症の蔓延状態から上記のように考えておりましたが、その後の社会情勢の変化および現地開催の強いご要望を会員の皆様からいただき、現地開催へ変更することといたしました。
 今後も社会情勢の変化に鑑みて開催方法を検討する可能性はございますが、このような経過をご理解いただきたいと存じます。
 この時期に大きな変更を申し上げることをお詫びするとともにご了承をお願いします。
 多くの方々からの演題の応募と学会へのご参加をお待ちしております。

第47回日本重症心身障害学会学術集会
会長 木実谷 哲史
島田療育センター 名誉院長・小児科