ご挨拶
1971年に10名で発足した埼玉県理学療法士会は、50年を経て会員数は5,000名を超える規模となり、地域市民に貢献する公益社団法人として大きく発展してきました。また理学療法の臨床、教育、研究の発展に寄与する学会活動となる学術大会は2021年度で第30回という記念大会を迎えることとなりました。
さて2040年には日本の人口が約1億1,000万人となり、生産年齢(15~64歳)1.5人に対して、後期高齢者1人という高齢化が進んだ社会構造(国立社会保障・人口問題研究所 2017年推計)となります。埼玉県では2015年から2035年までに約5%の人口が減少し 、2020年を過ぎると医療や介護の必要性が高まる75歳以上の後期高齢者人口は、前期高齢者人口を逆転することが予測されています。今後、社会構造が著しく変化するわが国、埼玉県の保健医療福祉分野における理学療法士の役割はさらに増すことになります。また、現在も新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、医療・地域・教育現場にも大きな変化がもたらされています。このウィズコロナ、アフターコロナに向けた新たな価値観や地域での取り組みも求められています。このようにわれわれを取り巻く環境は刻々と変化をしており、われわれ自身も変容と社会要求にこたえるポリシーが求められてきます。
そこで第30回学術大会の大会テーマを「社会構造の変化に対応する理学療法(学)の役割」とさせていただきました。埼玉県内で理学療法士として社会貢献し、活躍されてこられた先達のマインドを引き継ぎ、今後、社会構造の変化に対し、健康寿命の延伸、疾病や損傷などの予防や改善、あらゆる世代の生活の質の向上や社会参加における支援について、臨床における「理学療法」と学際的な視点から「理学療法学」として貢献できることは何かを考える機会となる大会としたいと考えております。
埼玉県内外におけるリハビリテーション医療における理学療法の高度化、および保健・福祉分野における理学療法(学)、またポストコロナを見据えた理学療法のさらなる発展を目指すため、本学会開催の趣旨を皆様にご理解いただきまして、是非ご協力とご支援を賜りますようお願い申し上げます。