会長挨拶
第45回日本分子腫瘍マーカー研究会
会長 中面 哲也
国立がん研究センター 先端医療開発センター 免疫療法開発分野
この度、第45回日本分子腫瘍マーカー研究会の大会長を拝命いたしました。歴史と伝統ある本研究会を開催させていただくことを大変光栄に存じます。以下、HPからの抜粋ですが、この研究会は「腫瘍マーカーに関する基礎と臨床の研究」を通じて「臨床で役に立つ分子の発見」を目的として、1981年に「腫瘍マーカー研究会」の名称で発足しました。当初、「腫瘍マーカー」の定義は「がんの早期発見を可能にする、体液中にあるがん細胞が産生する物質」と考えられ、主に血液や尿に含まれる蛋白や糖鎖の研究が主流でありました。その後、1990年代の遺伝子に関連する研究の著しい進歩にともない、会の名称を2000年に「日本分子腫瘍マーカー」研究会と改め、腫瘍に関連するあらゆる研究を網羅しながら当初の目的を達成すべく今日に至りました。学術集会を日本癌学会の前日に例年開催し、数多くの研究発表や講演、シンポジウムが行われます。本会では大学、研究所、企業の研究者が一堂に会することが特徴で、基礎や臨床の研究成果が報告されます。そして診断、治療、予後に関わる分子から、増殖や浸潤・転移に関与する分子までジャンルを超えた様々な研究について活発に討論されます。いわゆるバイオマーカーに関する最新の知見を得るには絶好の機会に違いありません。
私は第24回から毎回欠かさず参加しています。この研究会に育てられ、栄えある今井浩三賞の最初の受賞者にも選んでいただきました。今回、大会長として恩返しする番です。テーマを「バイオマーカー研究、さらなる発展に向けて」としました。また、今回は、募集テーマに、私が専門とする、がん抗原・がんワクチン・TCR/CAR-T細胞療法も加えさせていただきました。この分野がさらに大きく発展するためにどうしたらいいかをみなさんと考える会にできればと思っております。会場には、日本癌学会の会場ではありませんが、金沢歌劇座を選ばせていただきました。金沢駅からは少しご不便をおかけいたしますが、兼六園も徒歩圏内で、素敵な会場です。また開催地の石川県の能登半島は地震と豪雨で甚大な被害を受けました。復興に向けての応援の意味も込めて、ポスターの背景は、石川県の千里浜なぎさドライブウェイの写真にしました。海と空の青とどこまでも続く砂浜がとてもきれいで、道を突き進む感じをイメージしています。9月24日水曜日、金沢でお会いしましょう。多くの皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。