会長挨拶
第92回日本衛生学会学術総会は現地(兵庫県西宮市)での開催を予定していましたが、新型コロナウイルスのオミクロン株による感染が急拡大している状況を鑑み、完全オンライン方式による開催に変更することとしました。現地で皆さまにお目にかかることができないのは大変残念ですが、参加される皆さまの安全・安心を優先して決断しました。
本学術総会のテーマは「ポストコロナ社会の衛生学」としましたが、ポストコロナ社会の到来はまだ先になりそうです。しかし、ワクチン接種や治療薬の開発が進められるなど、少しずつ明るい兆しがみえてきたようにも思えます。一方、この2年間で私たちの生活は大きく変化し、オンライン学会も普及してきました。オンライン学会では直接対面して議論を交わすことができず、個人的なコミュニケーションや交流を行うことも困難ですが、移動しなくてもよい、時間に縛られないといったメリットもあります。
本学術総会は完全オンライン方式で開催しますが、参加者間で活発な議論ができるようにポスターセッション以外はすべてライブ配信を行います。メインシンポジウムは「プラネタリーヘルス:人新世の健康・社会・環境」と題して、近年国際的に注目されている気候変動とプラネタリーヘルスについての話題提供をしていただき、今後の課題についての議論を深めます。また、感染症をはじめとする衛生学のさまざまなテーマに関するシンポジウム、講演、自由集会を企画しました。一般演題は200題を超えるご応募をいただき、若手研究者による発表も多数予定されています。また、一部の講演やシンポジウムは会期終了後にオンデマンドで視聴できるようにします。
このように困難な状況の中での開催となりますが、ぜひ多くの皆さまにご参加いただき、熱心な討議が行われることを期待していますので、ご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
第92回日本衛生学会学術総会
会長 島 正之
(兵庫医科大学公衆衛生学主任教授)