ご挨拶
日本免疫治療学会 理事
福井大学学術研究院医学系部門 内科学(2)分野 教授
中本 安成
このたび、第19回日本免疫治療学会(JRAI)学術集会を2022年5月22日(日)に国立がん研究センターを会場に開催させていただくこととなりました。中面哲也理事長をはじめとする役員、運営委員、また学会員等関係者の方々のご指導ご尽力に深く感謝を申し上げます。
さて、社会生活も学術活動も新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって大きく妨げられてきましたが、ワクチンの普及と相まってニューノーマル時代を迎えつつあります。特別講演には、我が国のCOVID-19制圧の陣頭指揮に当たられた国立感染症研究所長の脇田隆字先生にお願いいたしました。そして、この人類にとって未曾有の苦難の最中においても、進行がんや難治性疾患に苦しむ患者と医療者は戦い続けてきました。その成果として、近年は免疫チェックポイント阻害薬(ICI)をはじめとする免疫治療学領域の新規ツールが実臨床の場に投入され、多くの悪性腫瘍に対する治療適応へと拡大しています。
本学会では、新たな免疫治療学的な手法や成果について基礎的な開発段階から臨床応用に向けた、様々な知見や展望について議論を重ねてきました。今回の学術集会では、進化する免疫治療学のリバリュエーション、というテーマを掲げて、ICI治療、CAR-T細胞療法、iPS細胞による再生医療、がんワクチンなどの治療薬開発に向けた先進的な挑戦を討議します。さらに、その治療成績を向上させるためのコンビネーション治療、バイオマーカーや免疫モニタリング、腫瘍微小環境の分子病態解析などの探究的な工夫に関する最新の成果を広い視野で再評価することによって、近未来の免疫治療学へのプロローグとなるような成果を期待しております。
本学術集会は免疫治療学に関心をもつ方々だけではなく、再生医学、感染症学、移植学などを含めた広範な研究者、臨床医が集い、自由で活発な議論を行う場としてご活用いただければ幸いと存じております。多くの方にご参加を頂けますように精一杯の準備をしてお待ちいたしておりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。