会長挨拶

 この度、第76回日本食道学会学術集会を2022年9月24日(土曜日)・25日(日曜日)・26日(月曜日)に、東京新宿の京王プラザホテルで開催させて頂くこととなりました。9月26日から28日は、国際食道疾患会議(ISDE)も同時開催となります。歴史と伝統ある本会を主催することをたいへん光栄に存じます。

 日本食道学会は、外科、内科、放射線科、病理学などの臨床・基礎医学を融合させた、食道がんを中心としながらも悪性の疾患だけではなく、逆流性食道炎など良性の疾患を含めて広く食道の病気を扱う食道専門の学会です。多領域に関わる食道に関する学問と臨床を専門領域横断的にディスカッションする場として貴重な学会となっています。57年を迎える日本食道疾患研究会・日本食道学会の歴史と伝統の中で、食道癌診療ガイドライン、食道癌取り扱い規約を作成し、国内外の医療水準の均てん化と発展に貢献してまいりました。

 第76回学術集会は、最新の食道癌診療ガイドラインが2022年に発刊された後の最初の学術集会となります。2021年7月に改訂された胃癌治療ガイドライン第6版では、接合部癌について日本食道学会と日本胃癌学会のガイドライン委員会の共同で策定いたしました。本会は、相次いで発刊された両ガイドラインを世界へ向けて発信する重要な学術集会となりますので、テーマを「日本のガイドラインを世界へ」と致しました。

 新型コロナ感染症の影響は未だ予断を許さない状況ではありますが、手術治療、診断、患者管理、など多くの分野で活躍する1,500名を超える専門医が集まる現地開催を予定しています。日本食道学会の特長を活かし、食道癌手術のみならず集学的治療、GERDや食道運動異常症などの良性疾患、チーム医療などすべての会員の先生方が楽しめるプログラムを用意し、臨床現場での疑問点など自由闊達な議論ができるように種々の企画を工夫いたします。

 多くの病院では、新型コロナ感染症の影響で、大変なご苦労をされていることと思います。本学術集会は、国際会議との同時開催のために特別な日程として9月の週末の開催となっております。例年の週日開催に比べて参加しやすい日程となっておりますので、是非とも多くの演題をご登録いただき、実際のご講演と質疑を楽しんでいただければと願っております。

2021年9月吉日