ご挨拶

第36回日本先天性心疾患インターベンション学会学術集会
会長 上田 秀明
神奈川県立こども医療センター 循環器内科
第36回 日本先天性心疾患インターベンション学会(JCIC)学術集会を、2026年1月22日(木)~24日(土)の3日間、川崎産業振興会館にて開催いたします。横浜での開催は、第19回(2008年、大会長 康井制洋先生)以来、実に18年ぶりとなります。ご推薦くださった学会関係の諸先生方に、心より感謝申し上げます。
今回の学術集会のテーマは「学びと実践」といたしました。先天性心疾患に対するカテーテル治療は、胎児期・新生児期から成人先天性心疾患(ACHD)まで、幅広い年齢層に適応が広がっています。例えばBAS(バルーン心房中隔裂開術)ひとつとっても、新生児救命を目的としたものから、肺循環を改善しより良いフォンタン循環を目指すものまで、その適応や目的が多様化しています。
さらに海外では、日本未承認のデバイスを用いた効率的な治療が実施されており、我々が学ぶべきことは尽きません。今回は特に、デバイスを用いたさまざまな手技やそのコツ・ノウハウについて、ライブセッションを通じて参加者全員で共有・学習することを目的としております。
ライブセッションには、ソウル大学のGi Beom Kim先生、ベトナム Children’s Hospital 1 のNguyen Tin先生、台湾 National Chung Hsing University のYun-Ching Fu先生をお招きし、3施設のカテーテル室からのライブ配信を予定しております。今回アジアの先生方をお招きしたのは、多くの若手医師がこれらの地域の施設へ留学しており、その現地の雰囲気を知っていただくことで、今後の研鑽や交流への橋渡しとなることを願ってのことです。PDAステント留置のように日本ではまだ経験の浅い手技や、未承認デバイスを用いた治療法など、実際にご覧いただくことで多くの学びを得ていただけると考えています。
一方で、先々代会長・西川先生のご挨拶にもありましたように、生涯を通じた包括的な医療の中にカテーテル治療をどう位置づけるかについても議論が必要と考えております。先進的手技と全人的医療、その両面を踏まえた議論の場を目指します。
35回の大会で培われた歴史を継承し、次世代へとバトンを渡す学術集会となるよう、鋭意準備を進めております。懇親会では、心・技・体すべてをフルに使って楽しめる企画もご用意しております。どうぞお楽しみに!
なお、川崎市は「なじみが薄い」と思われがちですが、羽田空港に近く、品川や横浜にも隣接した好立地にありながら、どこか親しみと趣のある街です。皆さまと直接お会いし、活発な議論が交わせることを楽しみにしております。
第36回日本先天性心疾患インターベンション学会学術集会・会長
神奈川県立こども医療センター 循環器科内科
上田 秀明