ご挨拶

第38回日本DDS学会学術集会 会長
狩野 光伸
(岡山大学 学術研究院 ヘルスシステム統合科学学域)

DDS 学会第39回大会のホームページにようこそお越しくださいました。

今回のテーマである「不」については、この感染症や災害の多くなった時代には、あまり説明の必要もなくなったかもしれません。
わたくし自身の発想のもとは、社会人の初めに臨床医を経験したことがあります。臨床の現場に出るまでは、大学までで学んだ先人たちによる知恵や知識を活用すればそれで物事は進んでいくというように思っていました。無論そうした部分も少なくはないのですが、実際の病気に苦しむ方々と相対すると、それだけでは尽くせない事態、例えば不治や難治あるいは原因不明の病というものも大いに存在するということを、よく認識しました。そうした、今持っているもの知っていることだけでは乗り越えられないような、しかも乗り越えたくなるような事態を、ここでは一括して「不」と呼びました。
他方で研究開発では、基本的には、今まで持っているもの知っていることの上に、さらに新しい事を積んでいくしか進む道はありません。ですが積んでいくにあたってその方法や方向は、研究開発を進める人が選ぶことのできることです。ここで、先ほど申し上げたような、現場から来る「不」を念頭においていただいたとき、どんな展開がありうるのか。これが、今回ご参加の皆様にご一緒に考えてみていただきたいことです。これがテーマの説明です。
日本DDS学会は、産学官、医薬工理などといった、様々な方々が一堂に会することのできる、日本では得難い学会であると認識しています。その力をつなぐことで、ぜひ、「不」との上手な共存の仕方や、乗り越え方を、創り出していけたら、という想いです。

今回は基本的にオンラインで開催することといたしました。
世の中のことには必ず良い面と悪い面があります。お互い顔を合わせての学会にもオンラインの学会にも、良い面と悪い面がそれぞれあるでしょう。他方、この度の予期しない感染症の拡大そして気候変動による様々な災害など、これまで通りのやり方だけでうまく進めていけるという時代でもなくなってしまったかもしれません。
そんな中で、住んでいる場所や仕事をしている場所から動かなくても通信さえ繋がっていれば参加できるオンライン開催の長所をこの機会にできるだけ探っておきたい、というのは、今回の一つの眼目です。
オンラインのメリットの一つは物理的な移動がなくてもその気さえあればご一緒できるということです。であれば普段簡単には繋がることのできない方々と、この機会につながりをつくるというのは、一つの長所の活用の仕方かと思います。そうした取り組みもいくつか用意をしています。

是非、ご一緒に、「今できること」と「求められること」の出会い、そしてオンラインでなければ出会えなかった人々との出会い、これらの出会いをこの大会を通じて深めさせていただければと存じます。本大会が皆様のさらなる御発展につながることになれば、幸いです。