ご挨拶
公益社団法人 日本薬剤学会第39年会
年会長 武田 真莉子
(神戸学院大学薬学部 教授)
日本薬剤学会第39年会の開催にあたって
公益社団法人日本薬剤学会は、薬剤学の進歩と普及を推進し、科学、技術、文化の発展に貢献する使命を担っています。1985年の設立以来、薬剤学に関連する多彩な活動を推進し、毎年の年次大会も来年で39回目を迎え、約1,800名の会員を擁する学術研究団体へと成長してまいりました。
さて、現代社会は、AI、ロボティクス、ビッグデータなどの技術革新と、デジタル革命に大きく影響を受けています。デジタル技術を活用することで“トランスフォーメーション”、すなわち単なる従来の延長線上ではなく、社会環境の中に新たな進化が始まっていることが実感される時代に入ってきました。科学の分野でも、デジタルトランスフォーメーション(DX)は既に大きな潮流となっており、医療、創薬、薬局、教育など多岐にわたる領域で急速に展開しています。将来的には、例えば医療では治験にデジタルツインが活用され、創薬では実験がバーチャル空間で行われ、最終確認のみがリアルラボで行われるかもしれません。また、薬学教育においては、VRを活用した教育が既に始まっており、仮想空間にある薬局で、調剤技術の練習をいつでもどこでも何度でもすることが可能となり、さらにChatGPTを用いた患者とのコミュニケーショントレーニングも実現しております。このような変革の時代において、薬剤学はどのように進化していくのでしょうか。明るい未来が待っているという期待を込めて、2024年の第39年会のテーマを「DX新時代の薬剤学―今ここから、医療の未来輝け―」と掲げさせていただきました。
第39年会は、2024年5月23日(木)から25日(土)まで神戸国際会議場(神戸)で開催されます。本年会の特別講演では、医療と創薬分野でAIやビッグデータを活用され、第一線でご活躍されている基礎および臨床系のご高名な研究者をお招きする予定です。また、ご参加される皆様に喜んでいただけるような魅力的な学術シンポジウムを多数、企画しております。
未来の医療を感じ、想像し、インスパイアされて新たな何かを掴み取る場として、日本薬剤学会第39年会を有効に活用いただければ幸いです。全国から多くの方々にご参加いただけることを期待し、ご挨拶とさせていただきます。
公益社団法人日本薬剤学会第39年会
年会長 武田真莉子
(神戸学院大学薬学部 教授)