第94回日本生理学会大会
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 第94回日本生理学会大会をこの浜松で開催し、皆様をお迎えできることを大変うれしく思います。生理学は医学の基礎をなすものであり、ノーベル賞も医学(臨床医学)・生理学(基礎医学)賞と呼称されるように、Physiologyはもっとも伝統がありかつ医学の根幹をなす学問のひとつであります。今回で94回目といいますと、日本ではそれより伝統のある医学系学会は日本解剖学会(122回)くらいではないでしょうか。また、日本の医学が手本としたドイツでは今年のDeutsche Physiologische Gesellschaftの大会が第96回ですから、日本に生理学が根付いたのは驚くほど早かったことになります。これも先人たちの先見性と進取の気概があってこそだと思います。

 この浜松は、徳川家康が弱小大名から有力大名への激動の時代を過ごした地であり、家康はここで三方原の合戦などの絶体絶命の危機を凌ぎ、長篠の合戦を経て有力大名への足掛かりを築きました。そしてその後の天下統一にむけ、ここから大きく羽ばたいていきました。江戸時代にも城主がその後幕府の要職に就くということが続き、その縁起のよさから浜松城は出世城の異名もあります。また、この地には「やらまいか精神」というのがあり、なにはともあれやってみようという進取の気勢をもった起業家を多く輩出しており、ホンダ、ヤマハ、スズキ、浜ホト、カワイ、ローランド等々、地方都市には珍しく日本を代表する企業が数多く生まれております。

 生理学は、ひと頃の新しい技術・分野の出現に伴い、大学の講座が無くなったり講座名から生理学が無くなったりと、大きな危機に瀕していました。しかし最近では、積極的にあたらしい技術を取り入れつつ、ヒトのからだの機能について、「その仕組みを明らかにする」という立ち位置を崩さず教育と研究を行ってきたかいがあり、今日では新しい生理学の未来像も見えてきています。

 そこで、今大会のテーマを「分子が奏でるハーモニーと躍動する身体機能:照らそう生命の理(ことわり)」としました。このように、生理学を取り巻く環境が大きく変化している時期に、この浜松の地で大会をお世話できますことは、生理学会の歴史と浜松の歴史の共通点からも非常にタイムリーなものになるのではと思っております。音楽と光の街、そして躍動する産業の街浜松で、歴史を踏まえた未来志向の生理学を議論できれば幸いです。多くの皆様のご参加をお待ちしております。

 
2016年5月吉日