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 このたび第22回日本小児泌尿器科学会を主催させていただくことになり、誠に光栄に存じます。私は学生時代、ときどき耳にした「機能再建外科学」という言葉に心惹かれ、一般外科研修の後、泌尿器科に進みました。そして、その研修中で出会った小児泌尿器科に一目惚れし、以来、小児泌尿器科の専門的医師を目指してきました。いつしか目標がもう一つ加わり、本学会を主催するような立場になりたいと思うようになりました。したがって、この機会は、私自身にとって大きな喜びでありますが、同時に重い責任を感じます。情報交換と議論の場、教育の場としてふさわしい学会になるよう目下準備を進めています。みなさま、どうかよろしく御願い申し上げます。
 しばし日常から離れ、世界を見回し、歴史の流れの中に現在を見ると、われわれは、今、かつての産業革命にも匹敵する、大きな社会変革の時代にあることに気付かされます。そうならば、多忙な日々に埋もれず、方向を間違えることなく進んで行きたいと切望します。どのような契機で小児泌尿器科学会に参加されるかは人それぞれと存じますが、本学会が小児泌尿器科学を志す(それで仕事をする)人々を核とする集団であるなら、この集団が時代という波をきちんと認識し、これを越えて確かな目的に向かう戦略を持たなければ、高度情報化とボーダーレスの潮流に翻弄されてしまうかもしれません。われわれの集まりが、正しい未来を志向するために、医学・医療の両面で何を議論すればよいのかということを念頭に、今回のプログラムを組みました。したがって、学会テーマは「時代を超えて」です。
 学会テーマ企画として、パネルディスカッション「小児泌尿器科学の未来像」を予定しています。ご承知のとおり、本学会は、泌尿器科医、専従小児泌尿器科医、小児外科医、小児科医、その他の領域の混成学会です。臨床、研究、教育にあたる時、学会メンバーとして、われわれの共有する目的は何か、相違はどこにあるのか。認識を深めさらに前進できるか。皆さんに一度考えていただく機会を提供したいと存じます。
 鏡視下手術の発展情報には常時のアップデートが必要です。従来の小児用膀胱・尿道鏡による治療技術の進歩も軽視できず、かつ、将来のロボット手術も視野にいれねばなりません。実に眼が回ります。ということで、小児泌尿器科の内視鏡を用いる手術のすべてを1回で網羅するセミナーを設けました。 一足先に専門的施設では広く普及している、拡大鏡利用の繊細な直視下手術とともに、これらの技法が小児泌尿器科にどのように根付いていくか、考えていただきたいと思います。
 教育講演には、基礎領域から、「泌尿生殖系器官形成メカニズの解明」、臨床領域から、「CAKUT理論」、「性分化疾患と脳」、「排尿機能と脳機能」のテーマを取り上げています。第一人者の先生方から、解りやすい講演をいただく予定です。
 海外からは、韓国の延世大学の泌尿器科Sang Won Han 教授をお呼びし、ライフワークのお仕事(『Managing children with spina bifida; Empirical to Evidence-based approach』)について発表いただくとともに、APAPU(アジア小児泌尿器科学会)会長の立場から、アジアに根ざした小児泌尿器科の未来像などもお聞きします。もうひとりは、スウェーデンのウプサラ大学の腎臓小児科Tryggve Neveus 先生です。最近までICCS(International Children‘s Continence Society)のセクレタリーをされていました。小児下部尿路機能、とくに、発展のめざましい非神経因性の昼間尿失禁・夜尿症に関する話題を提供していただく予定です。
 小児泌尿器科学の対象分野は、一般に思われている以上に間口が広く、かつ奥行きも深いのが特徴です。稀な膀胱外反症、から高頻度の停留精巣や夜尿症まで、すべての疾患に対して、議論の場を提供すべく準備しています。どうぞ奮って演題応募ください。また、御自分の施設の近隣に専門的医師がおらず、誰か経験者に症例コンサルトを希望される先生方のために、今回初めて、主催者発案のコンサルテーションラウンジを、ホールに設置します。初めての学会参加でも気軽にご利用いただくことと、専従小児泌尿器科医の先生の随時のご協力をお願い申し上げます。
 自治医大校歌の一節に、「医療の谷間に灯をともす」とあります。われわれ小児泌尿器科一同も、その精神を受け、「小児医療の谷間に灯をともす」気持ちを胸に、学会運営にあたります。 今回は東京で皆さんのご参加をお待ち申し上げております。

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