第38回日本川崎病学会・学術集会
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 2018年11月16日(金)〜17日(土)の2日間、和歌山市の和歌山県民文化会館において第38回日本川崎病学会・学術集会を開催させていただくことになりました。
 ご存知のとおり、本学会は1967年に川崎富作博士によって発見された川崎病(Kawasaki Disease)に関する研究に特化した学会で、2009年より従来の研究組織を改め学会となりました。特定の疾患だけを研究対象にした学会は世界的にも珍しく、その研究領域は多岐にまたがっており、多くの分野に関連しております。
 和歌山では、1994年に本学名誉教授の小池通夫先生が第14回研究会総会を開催されましたが、この度24年ぶりに再び和歌山の地で学術集会を開催できますことは非常に名誉なことであり、会員の皆様には心より感謝申し上げます。
 開催地となります和歌山市は、古くは徳川御三家のひとつとして五十五万石を誇る城下町として栄えただけでなく、近年には万葉の時代より景勝地として名高い和歌の浦が日本遺産に認定されるなど、今なお訪れる人を惹き付けてやまない歴史と文化の町であります。また、和歌山市の東部に隣接する紀の川市は、世界で初めて全身麻酔を用いた手術(乳癌手術)を成功させた医聖華岡青洲(1760-1835)の出身地として知られています。
 青洲の時代に比べ、現代の医療技術は格段に進歩しました。しかしながらその一方で、専門性が高まるあまりに自らの専門分野以外には対応できない、あるいは対応しない医師の存在、マニュアルに沿った診療しかできない、病気を診て患者を診ない医師の存在が問題視されることも少なくありません。
 今回は「川崎病を究める」をメインテーマに、華岡青洲の医療理念あるいは人生哲学ともいえる「内外合一 活物窮理」の精神に立ち返りながら、川崎病の病因・急性期治療・遠隔期管理の諸問題に真摯に取り組んでまいる所存です。
 「内外合一」とは、外科を行うには、内科、すなわち患者さんの全身状態を詳しく診察して、十分に把握した上で治療すべきであることを意味し、「活物窮理」とは、治療の対象は生きた人間であり、それぞれが異なる特性を持っている。そのため、人を治療するのであれば、人体についての基本理念を熟知した上で、深く観察して個々の患者自身やその病の特質を究めなければならないという教えです。この言葉どおり、小児科医だけではなく、循環器専門医、心臓外科医のほか、公衆衛生学、免疫学、遺伝学、生物学、生化学等の各分野の専門家の英知を結集し、まさに川崎病を究められるようなランチョンセミナーやイブニングシンポジウムのほか、特別講演などさまざまなプログラムを予定しています。そして、川崎病の子供をもつ親の会と協力して市民公開講座を開催し、川崎病に対する正しい知識と情報を広く提供してまいりたいと考えています。
 日本最大の半島である紀伊半島に位置し、南北に長い和歌山県は決して交通アクセスがよいとは言えませんが、それゆえにこそ海と山に恵まれ、温泉、観光、グルメと旅の醍醐味が揃っています。開催時期となる秋は、世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」で散策を楽しんでいただくには最適の季節であり、日本三古泉の湯として知られる白浜温泉をはじめ、龍神、勝浦、熊野本宮など多数の温泉もございます。川崎病について大いに議論が盛り上がった後は、ぜひ旅のお疲れを和歌山の魅力で癒していただければと存じます。
 教室員、学会運営関係者一同、皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。