今回は、「切迫早産治療のリテラシー ~何をするのか、どこまでやるか~」をテーマとして掲げました。日本は世界でもトップクラスの周産期死亡率の低さを誇り、早産の予防、すなわち切迫早産治療に力が注がれていることがうかがわれます。一方で、日本では切迫早産治療の中心となってきたβ作動薬が、2013年に欧州医薬品局により経口剤の承認が取り消され、注射剤の使用が制限されるなど、日本と海外の切迫早産治療の差が見直されるようにもなりました。投薬、安静など、様々な「妊娠期間を延長する医療」が施されますが、改めて、何をするのがより有効で、かつ、どこまでやるのが母体に有害な作用を起こさなくて済むか、様々な角度から、考えていく場になればと思います。 |