ご挨拶
この度、2019年5月24日25日の2日間、第17回日本ヘルニア学会学術集会を伊勢の国、三重県四日市で開催させて頂くことになりました。私としては大変光栄であると共に、このような大きな全国学会を私の第二の故郷である四日市で開催させていただくことは、大変な喜びであると同時に、とても身が引き締まる思いです。日本ヘルニア学会理事および評議員の皆さま、そして、多くの学会員の皆さまに心から感謝を申し上げます。
私は、1993年市立四日市病院に赴任し、それ以来一般外科、移植外科を日夜行ってまいりました。その忙しい毎日の中で、1995年偶然にもメッシュプラグ法に出会い、それ以来ヘルニア手術をlife workとしてきました。その後、第1回日本ヘルニア研究会(当番世話人:冲永功太先生)が2003年4月に開催され、設立時から参加させていただき、日本中また世界中の皆さんとヘルニアに関して熱く語り合う時を過ごしてまいりました。以来16年が経過し、日本ヘルニア研究会は2008年に日本ヘルニア学会へと昇格し、現在では会員数が1,500名を超える学会へと大きく発展してきました。その間、わが国では外科分野において、ともすればminor surgeryととらえられてきたヘルニアの分野が、学会会員の諸先生方の御努力により外科学の中で非常に注目される分野へと成長してまいりました。
一方、近年ヨーロッパを中心として、ヘルニアに関する多くの科学論文を基にしたguidelineが発表されています。また、多くの国際学会が開催され、世界中の外科医が集まり議論を重ねています。その中で我が国の置かれた立場は、あまりにも小さいと思わざるを得ない状況があります。これは自分自身への自責の念も含んでおり、今後われわれ日本ヘルニア学会が、真剣に考えなければいけない問題であると考えています。
そこで今回の学術集会のテーマを「ヘルニアを科学する」としました。日本ヘルニア学会として、今後いかにして我々の行ってきた成果を世界に発信していくのか、そのために学会として何をなすべきかを議論すべき時期であると考えてのことです。そのために、まずは学会会員の皆様と現状を共有し、何をまずなすべきかを議論する、そんな学術集会にしたいと考えております。 また、学会の国際性を高めていくという目的で、一部英語によるセッションも取り入れていく方針です。
最後になりますが、第17回日本ヘルニア学会学術集会は、前日に行われる第14回日本腹腔鏡下ヘルニア手術手技研究集会と第18回LPEC研究会との同時開催で、Hernia Week 2019 Mieと題しております。三重県は神が日本を作られた「国生み神話」の舞台ともいわれていて、特に、この時期の三重県は、一年で一番美しい時期でもあります。元号のまさに改元された2019年5月下旬の週末、梅雨入り前の初夏の三重県四日市で、ヘルニアに関する熱い議論を繰り広げて頂きたいと思います。尚、日本ヘルニア学会から45歳以下の最優秀演題者に対して、「JHS学会賞」が贈呈されることになっております。研修医から中堅外科医の先生まで、奮ってご応募して頂きたいと思います。
では、多数の皆さまのご参加を三重県四日市でお待ちしております。どうぞ、よろしくお願い致します。