会長挨拶
日本周産期・新生児医学会
第42回周産期学シンポジウム 会長
増本幸二
(筑波大学医学医療系小児外科学 教授)
第42回周産期学シンポジウム開催にあたって
今回、2024年1月26日、27日の日程で、つくば国際会議場におきまして、日本周産期・ 新生児医学会 第 42 回周産期学シンポジウムを開催させていただくこととなりました。つくばでの開催は初めてで、伝統ある本シンポジウムを開催させていただくのに身が引き締まるおもいです。私の恩師である、九州大学名誉教授の田口智章先生も10年前に第32回本シンポジウムを開催されており、今回の開催で伝統を汚さないようにしないければと思っております。
第42回周産期学シンポジウムのテーマは、「周産期の栄養と代謝を考える」です。この領域は周産期を扱う医師にとって、基本的知識もたくさんありますが、まだ十分に理解されていない課題もたくさんあります。妊娠時の栄養や代謝の問題として、妊娠時の栄養をどう指導していくのか、胎児への影響や糖代謝異常合併妊娠などの問題などがあります。一方、新生児への栄養や代謝に関連しては、超・極低出生体重児や早産児の栄養管理、それがもたらす成長や発達への影響などの問題も重要な課題だと思われます。2日目のシンポジウム午前の部では新生児の問題を、午後の部では妊娠中の問題を議論します。それぞれ洗練された発表を基に、参加者の先生方にも加わっていただき、活発な議論をしていただければと思います。また、午前午後の部で周産期学シンポジウム運営委員会による全国調査結果も発表頂きます。
一方、1日目のプレコングレスでは、産婦人科、小児科、小児外科の3名の先生方に教育講演をお願いしました。浜松医科大学産婦人科の伊東宏晃先生に「わが国における妊婦の栄養管理の歴史:2021年新たな妊婦の体重増加指導の目安策定までの変遷」を、愛正会記念茨城福祉医療センターの板橋家頭夫先生には「The first 1,000 daysにおける早産低出生体重児の栄養管理と展望」をご講演いただきます。また、久留米大学小児外科学の加治 建先生には「短腸症候群の栄養管理update」をお話しいただきます。加えて、この日は専門医制度委員会報告をしていただく予定にしております。なお、スポンサードセミナーは26日に1つ、27日に2つ開催予定です。
これまで新型コロナウイルス感染症の動向に悩まされましたが、感染は以前に比べれば毒性が弱くなり、散在性になりました。代わって、インフルエンザやRSウイルスの通年化はありますが、シンポジウムに集まっていただきやすい環境にはなってきている感じがします。今回、会場開催を予定しております。つくばでface-to-faceで議論しましょう。なお、当日参加が難しい方向けに、オンデマンドでの事後配信でも参加いただける予定にしたいと思っております。2024年1月26日, 27日につくばの地で皆様とお会いするのを楽しみにしております。どうぞよろしくお願いいたします。
2023年11月吉日