大会長挨拶

第19回日本周産期メンタルヘルス学会学術集会
大会長 竹内 崇

(東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科
 精神行動医科学分野 リエゾン精神医学・精神腫瘍学担当准教授)

 第 19 回日本周産期メンタルヘルス学会学術集会は、2023 年 10 月 28 日(土)~10 月 29 日(日)の2日間、東京の中心に位置する千代田区の一橋講堂にて、4年ぶりに現地で開催することといたしました。
 今回の学術集会のテーマは、「多職種で支える周産期リエゾンのバトン」です。周産期の領域は、対象となる妊産婦に対して、大変多くの職種が携わりますが、時間の経過によって、中心となって関わる職種が次々と変化していきます。それを如何にして、円滑に、切れ目なくつなげていけるかどうか、そのためにはどんなことが大切か、といった思いが、このテーマには込められています。また、サブテーマを「~皆の “育つ” “生きる” を支える~」としました。誰もが安心して、子育てができ、生きていける社会を作っていくことを目指すこと、つまり、周産期にまつわる支援とは、より広く社会の課題として捉える視点が必要と考え、社会全体で支援できる形を作っていこうという思いを込めました。
 プログラムは、これらのテーマに沿うように、様々な職種がそれぞれの役割を担い、支援をつないでいき、そして、皆の支えられる社会が作られるために必要なことを、特別講演、シンポジウム、セミナー、教育・研修として数多く取り入れています。
 先日政府が、大型連休明けの5月8日に、新型コロナウイルスについて5類に引き下げることを正式に発表しました。それに伴い、私たちは大きな転換点を迎えることとなります。3年にわたる感染拡大は、妊産婦を取り巻く環境も大きく変化させましたが、一方で、私たちは、それらの変化に対し、対応すべく力も獲得してきたと考えています。本学会も、この間、多くの困難を乗り越えてきました。前大会長の常盤先生から引き継いだ周産期リエゾンのバトンをしっかりとつなげられるよう、第19回学術集会に向けて努力して参りたいと考えております。
 皆様の数多くのご参加をお待ちしています。どうぞよろしくお願い申し上げます。