ご挨拶
第27回日本神経感染症学会総会・学術大会を、来る2023年10月13、14日の両日、横浜にて開催させていただくことになりました。今回は大会長である私と、聖マリアンナ医科大学脳神経外科教授・太組一朗副大会長と共に、皆様にとりまして実り多き大会となるよう努めてまいります。何卒よろしくお願い申し上げます。
本学会総会・学術大会も今回で第27回を迎えますが、回を重ねるごとに神経感染症領域の学問の深みが増し、歴史ある学会として成長しつつあると思います。医学の歴史は感染症と共にあると言っても過言ではなく、新たな感染症に直面するたびに、その困難を克服し、医学の進歩へと繋げてきました。特に2019年末に発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)においては、まさに世界の人々の生活のみならず、医療、経済などを一変させるような多大なる影響を及ぼしております。ご承知の通り、COVID-19は重症の呼吸器感染症を引き起こす一方で、「後遺症」と称される様々な症候も引き起こし、神経系への影響についても多数報告されています。また最近では、既存の神経疾患において、感染が原因となっているもの、また感染が発症のトリガーになっている可能性があるものなどの報告が出てきており、神経疾患の病態解明や治療法開発に感染症という新たな視点が必要となってきていると感じています。
本大会のテーマ「新しい神経感染症学の創造 ~パンデミック克服後の未来を描く~」は、未曽有のパンデミックを経験したからこそ得られた新たな知見、そしてこの経験を活かしてこれから切り開き、神経感染症克服へ突き進んでいこう、という希望と期待を込めています。第25回、第26回大会は現地とWebでもハイブリッド形式で実施いたしましたが、今回は現地開催のみを予定といたしました。参加者が一堂に会するのは4年ぶりとなります。大いに議論を交わし、またそこから共同研究など横の繋がりが広がり、新たな神経感染症学がより活発に発展していくきっかけになれば嬉しく思います。一人でも多くのご参加をお待ち申し上げております。