会長挨拶

日本外科代謝栄養学会第59回学術集会 会長
増本幸二(筑波大学医学医療系小児外科 教授)

 このたび、日本外科代謝栄養学会第59回学術集会を開催させていただきます、筑波大学医学医療系小児外科の増本幸二でございます。
 今回の第59回学術集会は、令和4年7月7日(木)から9日(土)まで、つくば国際会議場にて開催を予定しております。私たちの教室が本学会を開催させていただくのは、今回が初めてであります。伝統と歴史のある本学会の会長を務めさせていただくことは、大変光栄で、栄誉あることであり、会員の皆様方に深く御礼申し上げます。
 私は平成3年(1991)に九州大学医学部を卒業し、小児外科領域で外科代謝栄養学の最新の研究や臨床を熱心に指導されていた水田祥代先生(第40回会長)の九州大学小児外科に入局しました。そこで、外科領域全般で、輸液代謝栄養学や侵襲学がその基盤になる学問であり、患者さんの様々な管理を行う上で極めて重要であることを学びました。外科医は、ただ単に外科手術を行うだけでなく、その侵襲による生体反応を理解する必要があることを教えていただき、その侵襲期をサポートする栄養療法の重要性などを徹底して指導されました。平成23年(2011)に筑波大学へ異動しましたが、私も後輩にできる限り、外科代謝栄養学の重要性を指導してきました。この領域を理解されていない医師と理解している医師では、携わった患者さんの予後やQOLが大きく異なると思っています。
 今回の学術集会のテーマは、「外科代謝栄養学の現在・未来」としました。コロナ禍という時期での学会になってしまうため、制限も多く、なかなか先の読めない時期での開催となりますが、その中でできればそれぞれの外科代謝栄養学の現状を確認するとともに、将来を考える学会になればと思い、このようなテーマとしました。最近の外科代謝栄養領域でもたくさんの新たな薬剤や治療戦略が作られ、いろいろな領域で10-20年ぐらい前とは大きくかわってきています。ぜひ今回の学会で、各人の知識の再確認とbrush upができる機会とし、さらなる発展の契機にしていただければと思っております。
 開催形式につきましては、現時点ではつくばでの会場開催を予定しています。できるなら、face to faceで久しぶりに会場での熱い討論を行えればと考えております。なお、今年も「外科侵襲とサイトカイン研究会」を同時開催させていただく予定です(会長:当大学救急・集中治療科教授 井上貴昭先生)。どうぞ皆様のご支援とご協力をよろしくお願い申し上げます。