シンポジウム
シンポジウム1
「身体障害者補助犬の質の確保と受け入れを促進するための研究」報告
~2019-2020年度厚生労働行政推進調査事業~
研究班についての経緯と展望紹介 理事 高柳友子
補助犬分野の発展に学術的取り組みは欠かせない。
2002年に成立した補助犬法立案の柱を築いたのも厚生科学研究班による、障害・社会・犬分科会による多方面にわたる調査研究であった。
補助犬法により、補助犬と共に生活する障害者の社会参加の保障は叶ったが、社会的に認知度が低いことによる同伴拒否がなくならない 受け入れの課題、実働数が増えない実態、団体間による訓練の質や継続指導体制の格差等課題が浮き彫りとなってきた。
現状としての最新の調査研究について社会福祉学、リハビリテーション医学、獣医学、人間動物関係学 各々の視点からのシンポジウムとして今後の発展に寄与することを期待する
- ◇身体障害者補助犬を使用する障害者の需要推計方法の検討と試算
清野絵
(国立障害者リハビリテーションセンター研究所 障害福祉研究部 心理実験研究室 室長) - ◇補助犬訓練事業と他の身体障害者社会参加支援施設との比較制度研究
小澤温
(筑波大学大学院・人間総合科学学術院 リハビリテーション科学学位プログラム 教授) - ◇補助犬の衛生管理:ガイドブックの作成
水越美奈
(日本獣医生命科学大学 獣医学部 教授) - ◇補助犬使用者の施設等への受け入れに関する研究:受け入れガイドブックの作成
山本真理子
(帝京科学大学 生命環境学部 アニマルサイエンス学科 講師) - ◇補助犬研究班に期待すること
飛松好子
(国立障害者リハビリテーションセンター 元総長・顧問)
シンポジウム2
「コロナ禍での私たちの取り組み 〜補助犬訓練事業者のホンネと挑戦〜」
コーディネーター 理事 高柳友子
日本中、世界中に驚異的なダメージを与え続けている新型コロナウィルス感染。幸い、犬には発症や重症化の報告はないが、補助犬と共に暮らす障害者の生活にも、大きな影響があった。そして、ほぼ全額を寄付から運営し、育成・普及活動をしている補助犬訓練事業者にとって、募金活動が出来ず、イベント・セミナー等での普及活動やグッズ販売が出来ず、社会全体が経済状況の悪化を目前にすることは今後の運営に対する大きな不安となってのしかかる。
補助犬の育成や障害者への訓練、継続指導については、障害によって基礎疾患が感染の重症化リスクがあること、介助・支援が 密になることのリスクに配慮を必要とする。マスクの存在は聴覚障害者にとってコミュニケーションの障害になり、肢体不自由者にとっても視覚障害者にとっても、手指消毒とともに困難な動作が増えることになる。
さまざまな多くの困難を、それぞれに創意工夫をしながら乗り越えてきた1年半の苦労とこれからの展望を共有し、皆さんに知って頂き、励まし合い、支え合える情報交換の場とするようなシンポジウムになることを願う。
<ご出演者>
公益財団法人 北海道盲導犬協会 指導部 繁殖パピー担当部長 加藤淳一
公益財団法人日本盲導犬協会 専務理事/神奈川訓練センター長 山口義之
公益財団法人 九州盲導犬協会 訓練グループ部長 児島秀夫
公益社団法人 日本聴導犬推進協会 事務局長・育成事業部 水越 みゆき
社会福祉法人 日本介助犬協会 訓練部長/訓練センター長 水上 言