会長挨拶

第44回日本分子腫瘍マーカー研究会
会長 本田 一文
日本医科大学大学院医学研究科 生体機能制御学分野

第44回日本分子腫瘍マーカー研究会
会長 本田 一文
日本医科大学大学院医学研究科 生体機能制御学分野

 この度、第44回日本分子腫瘍マーカー研究会会長を拝命いたしました。歴史と伝統のある本研究会を開催させていただくことを大変光栄に存じます。
本研究会は、「腫瘍マーカーに関連する基礎的・臨床研究」を通じて「臨床で役に立つ分子の発見」を目的として、1981年に「腫瘍マーカー研究会」が設立されました。その後、1990年代のがん遺伝子や抑制遺伝子の発見を背景にしたがん研究手法の発展に伴い2000年に「日本分子腫瘍マーカー研究会」と改められ、運営されてきた歴史ある研究会です。特定のがんに偏ることなく、臓器横断的にバイオマーカーを研究するというスピリッツは、現在まで脈々と受け継がれてきています。

 1981年当時(腫瘍マーカー研究会発足当時)の「腫瘍マーカー」は「がんの早期発見を可能にする体液中にあるがん細胞が産生する物質」と定義されました。この定義は現在の「リキッドバイオプシー」の概念に通じます。「日本分子腫瘍マーカー研究会(2000年)」へと改名のきかっけとなった「遺伝子変異を基盤としたがん医療戦略決定に資する診断指標の研究」とは、現在のゲノム精密医療と目指す目標は同一です。

 第44回大会では、「地平を拓く・がんバイオマーカー最先端」と題して、本研究会が目指し、その地平を超え探索・社会実装されてきたがんバイオマーカーのcutting edgeを、皆様とともに議論したいと考えております。

 第44回日本分子腫瘍マーカー研究会は、第83回日本癌学会学術総会の前日に同じ会場の福岡国際会議場で開催いたします。新型コロナウイルス感染症の流行が収まり、会員の皆様と対面で研究会を行い、熱い議論ができることを楽しみにしております。多くの皆様のご参加を心よりお持ち申し上げます。