ごあいさつ
第27回日本赤十字看護学会学術集会
会長 佐々木 幾美
日本赤十字看護大学 副学長
この度、第27回日本赤十字看護学会学術集会長を拝命いたしました佐々木幾美と申します。
第27回学術集会のテーマは「赤十字看護のマインドを未来へ 繋ぐ 育む 拓く」としました。 日本では、急速に少子化が進展する中、医療・看護を取り巻く環境が大きく変化しています。18歳人口が減少する中で、看護職を目指す学生や社会人をどのように確保していくのか、看護職として質の高い看護を実践していくために、どのように自己研鑽を積み、キャリアを形成していくのか、それらの看護職をどのようにサポートし育成していくのか、社会が看護職に求める役割をいかに実現し、新たな看護を創り出していくのか、など多くの課題が挙げられます。
世界に目を向けてみれば、地球温暖化の影響により国内外で自然災害が多発し、武力紛争による人道危機が起こるなど、人々の生命や生活が脅かされる状況があり、苦しむ人々を全人的に支援することが求められています。 赤十字看護のマインドとは、「人々の命と健康を守り、苦痛を軽減し、人間の尊厳を確保する」という看護を実践する上での中核となる精神性であり、個人や集団が物事を判断したり行動したりする際の心の在り方であると考えます。このマインドは、赤十字に限局するものではなく、看護が展開されるあらゆる場において共有できるものであり、このような社会情勢だからこそ、非常に重要であると考えます。
これまで先人たちが私たちに伝えてくださった赤十字看護のマインドは、世代をこえて必要とされるものであり、そのマインドを未来につなぐこと、そのマインドを持ち実現できる人材を育むこと、さらなる発展に向けて新たな時代を拓くことをテーマにしました。
特別講演では川嶋みどり先生にご登壇いただくほか、教育講演やテーマセッションなど、今日的なテーマでプログラムを構成し、ご参加いただく皆様にとって有意義な時間となりますよう、準備しております。多くの皆様のご参加を心よりお待ちしております。
