学術集会長挨拶

学術集会開催にあたり

日本エンドオブライフケア学会
第5回学術集会
学術集会長 平原 佐斗司
(東京ふれあい医療生活協同組合
研修・研究センター長)

 このたび、日本エンドオブライフケア学会第5回学術集会をハイブリッド(会場とWEB)で開催いたします。
 すべての人にエンドオブライフケアの光が届く社会が来ることを願い、メインテーマを「人権としてのエンドオブライフケア ~End of Life Care for All~」としました。先進国においては高齢化が進む中、適切なエンドオブライフケアの提供ニーズは急速に高まっています。亡くなる方の60%以上に緩和ケアが必要とされ、その3人に2人はがん以外の疾患と考えられています。日本も多死社会を迎え、エンドオブライフケア(EOLケア)の中心は多疾患併存状態の超高齢者へとシフトしています。
 本学術集会では、人権としてのEOLケア、非がん疾患の緩和ケア・エンドオブライフケアに関する様々なテーマの講演やシンポジウムを企画いたしました。日本型のAdvance Care Planning (ACP)の在り方や地域包括ケア時代のEOLケアの在り方、暮らしの中での看取り、日本人の死生観、進化生態医学とEOLケア、スピリチュアルケア、食支援、日本人の死生観や宗教とEOLケア、多様な住まいにおけるEOLケア、新型コロナ時代のEOLケア、EOLケアの研究など魅力的な講演やシンポジウムを準備しております。また、WEBによる教育では学術的なコンテンツを充実させるととともに、会場企画としてその道のプロフェッショナルと語り合うMeet the expert企画を予定しています。市民の皆様にむけた市民公開講座、日頃EOLケアの困難な課題に真摯に向き合っている専門職への尊敬と感謝をこめた癒しのプログラムも用意しています。
 本学術集会は4年ぶりの東京での開催になり、長いコロナ禍の中での久しぶりの会場開催となります。現地開催、WEB開催それぞれの良さを最大限引き出し、多くの皆様に参加いただけ、多くの学びと交流が生まれるような学術集会となるよう準備していく所存です。 
 是非、第5回学術集会にご参加いただけますようお願い申し上げます。
 東京で皆様とお会いできる日を楽しみにしております。

 一般社団法人日本エンドオブライフケア学会は、医学、看護学、哲学、倫理学など「人間」を対象とする諸学問分野の知から学際的かつ総合的に学び、最期までその人らしい生き方と暮らしを支える医療や介護・ケアのあり方、そして福祉、社会システムの在り方について考え、議論する場として2016年に設立されました。当学会は、疾患を問わず、また、在宅、急性期病院、施設といった場を超えて、あらゆる専門職と市民がともに考え、学びあう場でありたいと願っています。