会長挨拶

第59回日本アルコール・アディクション医学会学術総会 会長
堀江 義則
(ケイアイクリニック 院長)

 この度、日本アルコール・アディクション医学会と日本アルコール関連問題学会で、2024年度アルコール・薬物依存関連 学会合同学術総会を2024年 9月19日(木)~21日(土)の 3 日間、シェーンバッハ・サボー(東京都 千代田区平河町)にて開催させて頂くことになりました。 本学術総会は日本で唯一のアルコール・アディクションを主眼に置いた学際的学術集会であります。 日本アルコール・アディクション医学会では、第一線で取り組む医療従事者や当事者の多くの経験からの意見と要望に加え、他分野の最先端科学による学術研究をもとに長年依存症治療について討議してきましたが、学際的に各方面に配慮する中でいろいろな意見が交錯し、議論の場から抜け出せずにいたように思います。 アルコール依存症患者の飲酒量を低減させる新しい薬剤が上市され、アルコール依存症治療において断酒から飲酒量低減へのパラダイムシフトが起きています。そろそろ多方面からの意見を集約して、新しい方向性を提示する「依存症治療の創造」の時期に来て いると思います。 また、物質依存に加えて、ゲームやギャンブルなど特定の行動に対する自制できない程度ののめり込みを含めた、嗜癖(アディクション)が近年大きな社会問題となっています。しかし、実質的な対応は緒についたばかりです。多様化するアディクションに対応していく上で、包括的な研究・教育・治療体制を整備することが必要です。 当学会での学術的な交流を通して、アディクション研究を拡充させることで関係機関との連携を強化して、学際的な新たな学術分野である「アディクション学の創成」を提案したいと思います。「依存症治療の創造とアディクション学の創成 ―つなぐ想いと未来(あした)への挑戦―」をテーマに学会の開催内容にも工夫を凝らし、次世代へ諸先輩方の思いをつなぎながらも、時代に応じた 行動・意識変容が体現出来るような学術総会としたいと思います。 新しい依存症治療とアディクション学の在り方を、参加者の皆様と共に考える学術総会にしたいと思います。 東京での開催は8年ぶりとなります。多くの方々のご参加・ご登録をお待ちしています。

第 59 回日本アルコール・アディクション医学会 会長
堀江 義則(ケイアイクリニック)

第46回日本アルコール関連問題学会 会長
松下 幸生
(久里浜医療センター 院長)

 この度、2024年度アルコール・薬物依存関連学会合同学術総会を日本アルコール関連問題学会と日本アルコール・アディクション医学会合同で開催させていただくことになりました。
 私は日本アルコール関連問題学会の大会長を務めさせていただきますが、アルコール・アディクション医学会がさまざまな分野の医師を中心とした学際的な学会であることを特徴としているのに対して、アルコール関連問題学会は、支援、治療の現場で当事者、家族を治療、支援している臨床家、支援者の集まりという特徴があります。この二つの学会が合同で学術総会を開催することは、それぞれの特徴を生かしたユニークな学会にできることが大きなメリットと考えております。特に、新しい局面を迎えている依存、嗜癖の未来を考える上で、先端科学による研究を行っている学会と保健福祉医療の場面での取り組み・実践を行っている学会の双方が一同に会することは、とても意義深いと思います。
 是非この機会をご活用いただいて、多くの学びを得ていただくのみならず、参加いただく皆様の経験を活発にシェアしていただきたいと思います。今後の依存・嗜癖分野の研究や治療や支援の発展に少しでもお役に立てるような気づきや学びを得られるよう鋭意準備していきたいと考えております。皆様方のご支援・ご協力をどうぞ宜しくお願い致します。
 皇居や国会議事堂に近い砂防会館でお会いできることを楽しみにしております。皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。

第46回日本アルコール関連問題学会 会長
松下 幸生(独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター 院長)