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  第39回日本川崎病学会・学術集会
会頭 三浦 大(東京都立小児総合医療センター 副院長)

 このたび、第39回日本川崎病学会・学術集会を、御茶ノ水ソラシティにおいて2019年10月25日~26日に主催させていただくことになりました。

 今回のメインテーマ「川崎病学のすゝめ」(An encouragement of learning on Kawasaki disease)は、福澤諭吉先生の「学問のすゝめ」のもじりです。そして、本学会員の総力を挙げて2018年11月に出版した教科書のタイトル「川崎病学」にもちなんでいます。

 「学問のすゝめ」で重視された実学を“実際に役立つ学問”とすれば、臨床に役立つ学問といえます。近年、日本の川崎病の臨床研究も発展し、ランダム化比較試験やレジストリ研究も行われるようになりました。もちろん、臨床に還元される症例報告、疫学研究、基礎研究なども大切な実学です。一方、福澤先生の唱えた実学とは、“実証的に真理を解明する科学”のことといわれています。まさにEvidence Based Medicineの先駆けであり、「川崎病学」のめざすべき方向性と確信しています。

 本学術集会の共催セミナーでは、川崎病の診断の手引きと心臓血管後遺症に関するガイドラインの改訂のポイントおよびインフリキシマブ療法の実際的な使用法と注意点についてご紹介いたします。ランチョンセミナーでは、臨床研究の実践を学ぶため、研究の進め方について「臨床研究の道標」の著者である福原俊一先生、成果の発表法について「あなたのプレゼン誰も聞いてませんよ!」の著者である渡部欣忍先生に講師をお願いしています。

海外からは、御高名なNorthwestern大学のRowley先生とBoston小児病院のFriedman先生を招聘しました。お二人には特別講演のほか、最新の病因論とステロイド療法に関するシンポジウムにご参加いただきます。そのほか、不全型の診断、免疫グロブリン不応例に対する管理をテーマに選びました。

東京では、オリンピックとパラリンピックに向けた準備で盛り上がっている頃です。本学術集会でも、基礎から臨床まで多くのご発表と活発なご討論があり、東京から世界に発信できるような「川崎病学」の成果が得られることを期待しています。ご参加の記念品として、川崎先生の御了解をいただき、写真入りの特製クリアファイルを記念品として準備しました。学会場で皆様にお目にかかれることを楽しみにしております。