このたび、「第34回日本川崎病学会・学術集会」を学術総合センター(東京都千代田区一ツ橋)において、2014年10月31日(金曜)~11月1日(土曜)に開催させて頂くことになりました。
川崎富作博士が川崎病を発見されて既に半世紀が経過しました。未だに、川崎病の病因は不明ではありますが、リウマチ熱が減少し川崎病患者が増え続けている疫学を考えますと、まさに現代病のひとつと言ってもよいかもしれません。高安病や川崎病など日本人により発見された血管炎が日本に多いことも個体側の因子と言えるでしょう。
治療法に関しては大きな進歩がみられ、川崎病による冠動脈疾患を併発する頻度は激減いたしました。なかでも免疫グロブリン治療は大きなインパクトがあり、この免疫グロブリン治療に不応の乳幼児が冠動脈疾患発症のリスクが高まることは今ではよく知られた事実です。その免疫グロブリン不応例への治療法は未だに確立されておりませんが、21世紀に入り、重症の川崎病に対する急性期治療の臨床トライアルが国内外で盛んになされてきました。
こうした経緯を踏まえ、今回の学術集会では、「発見後半世紀の軌跡と新たな展望」をメインテーマとして、病因や病態、治療法に関する、川崎病診療の骨格に関わるシンポジウムを企画いたします。また、近い将来、小児部門でも盛んになると思われる臨床治験に関する企画も盛り込み、看護師や臨床治験コーデイネーターにもご参加いただける学術集会にしたいと考えております。
東京では2020年にオリンピックが開催されることになりました。前回の東京オリンピックが開催された1964年はまさに川崎病が見出された時代です。来るわが国でのオリンピックまでには川崎病発症のメカニズムが明らかになり、急性期や遠隔期の治療法に更なる進展がみられることを期待して止みません。
多くの皆様にご参加を頂きますように、関係者一同で万全の準備を進めていく所存です。 |