このたび、吉川洋子第13回年次大会長から引き継ぎ、第14回日本看護倫理学会年次大会を開催させていただきます。2020年はナイチンゲール生誕200年の記念すべき年で、ICN とWHOによる3年間のグローバルキャンペーンがスタートしています。このような時に、栄えある本学会の年次大会を運営する機会を頂戴し、とても光栄です。また、会員、関係者の皆様方のご支援・ご協力のもと、長野県佐久市で開催できますことを、心より感謝しています。
 
 さて、この第14回年次大会のテーマは、「ケアの倫理を教える・学ぶ・実践する」としました。COVID-19 pandemicの世界に、新しい物語が繰り広げられているまさに今だからこそ、互いに体験を語り合い、研究データを確認しつつ、ケアという在り方や行為について改めて考えてみませんか?
 「人間は、ケアを提供する・ケアを受けるという相互的なケア関係のもとで育まれ、常にケア関係の可能性のもとに存在している。人間は、自分が向き合っている相手が抱える問題に気づき、それに応えようとする能力をもっており、それゆえにケアという責任を負い、そこにこそ倫理の本質がある。」このような前提をもつケアの倫理は、目の前の状況に、第3者としてではなく、感情を伴う当事者として直接関わりながら、ケア対象と自分との相互的な関係に立ってとるべき行為を導く看護倫理のアプローチです。1980年代以降に登場し、まだ歴史は浅く、それゆえに論争も多いですが、最近は、実践にとても大事だと考えられています。
 私の敬愛する恩師アン・デイビス先生は、「考えというものは、広く批判されることによって十分発達するものだ」と述べられました。看護の価値やケア実践の挑戦を語り合う対話的なプラットフォームとして、今大会を存分に活用していただきたいと願っています。
 大会を実り豊かなものにするために、ケアの倫理と尊厳の論考で世界的に著名な、ベルギーの哲学者クリス・ガストマン先生をお招きします。市民公開講座のメインシンポジストは、NHKスペシャル「彼女は安楽死を選んだ」を報告されたスペイン在住のジャーナリスト宮下洋一氏です。その他にも、有意義な交流の場となるよう、さまざまな企画を計画中です。大会開催は、オンラインになるかもしれませんが、いまのところ、開館したての長野県立武道館の予定です。皆様にはもうしばらく、演題作成をお進めになりながら、開催方法の最終決定をお待ちいただかなくてはいけません。どうぞ、ご容赦くださいますよう。
 大会ポスターは、毎年5月に開かれる佐久バルーンフェスティバルです。晴天率日本一の青空に、ふわふわと風に乗る色とりどりの気球は、自由と平和を謳歌しているようです。最前線で働く医療専門職者の皆様方を称賛し、見守り、連帯しているようにも見えます。
 ぜひ、看護専門領域だけでなく他職種の方々や一般市民の方々も含め、多くのご参加をお待ちしています。
 
   
]