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 第30回の記念すべき学術集会は、集合型ではなく、史上初めてオンライン開催することになりました。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大がその理由になります。岩手に来て頂けないのは本当に残念ではありますが、致し方ないことと存じます。
 メインテーマは「新時代に架ける看護学教育」と致しました。看護に携わるみんなで、新時代に向かって橋を架けるように看護学教育をつないでいくということを意味しております。2019年に年号が令和となり、新時代を迎えたことを機にこのテーマでの開催をと考えておりましたが、この度の天災というべきCOVID-19 は世界中に脅威をもたらし、解決にはまだまだ時間が必要で、各分野に様々な影響が出て、社会の様相も大きく変わりつつあり、新時代は予測困難な厳しい時代となりました。
 看護教育においても、医療体制においても、これまでに経験したことのない状況への対応が求められています。このような中で、いわゆる指定規則が改定され、2022年から新しいカリキュラムでの教育が始まろうとしています。またCOVID-19以外にも未曾有の災害が頻発し大きな被害をもたらしており、災害看護学への期待が高まっております。一方で問題解決が困難な場合の本人・家族の意思決定支援について、その教育の重要性が増しております。さらに教育の受け手である学生の状況やレディネスが大きく変わってきたなかで、この厳しい難局を乗り越えるべく、新時代にふさわしい看護学教育の在り方を模索する必要があります。
 プログラムとして、会長講演、本学清水哲郎学長ら3人による「本人・家族の意思決定支援」に関する鼎談、日本赤十字社の竹下喜久子氏による「災害看護教育」、光寿苑理事長の太田宣承氏の「人間力」に関する教育講演、毛越寺貫主藤里明久氏による「平泉世界遺産」に関する市民公開講座等を企画しました。シンポジウムでは学会設立30年企画の「成人学習理論の教育への応用」および「発達障害など配慮が必要な学生等の支援」「新時代の教育方略を考える」等を企画しております。文部科学省・厚生労働省合同特別企画も計画しており、メインのプログラムは全て視聴できるように準備致しております。
 会期は当初の予定どおり9月5日(土)からで、10日間14日(月)までの間、交流セッション、一般演題も含めて、オンラインで自由な時間に視聴頂けるように準備致しております。一堂に会して意見交換することは叶いませんが、社会の変化を見据えて、新時代の看護学教育に求められることは何なのか考える機会になれば幸いに存じます。学術集会の新しい形ではありますが、会員の皆様の学術活動に少しでも資することができますことを、企画委員一同心から願っております。


2020年6月15日