テーマ:「次世代乳癌検診システム構築への挑戦」
2000年から50歳以上に,2004年から40歳以上にマンモグラフィを併用した乳癌検診が導入され10年近くが経過しました.この間,撮影装置の機能向上はもとより,撮影技術講習会,読影講習会の開催により検診精度の向上がはかられ,それぞれ約12,000人が評価B以上を取得しています.この講習システムは関係者の努力により近隣諸国にも輸出されています.40歳代の検診については議論のあるところですが,超音波検査を併用した大規模な前向き試験が行われており近く結果が報告されるものと思います.撮影装置はアナログからほとんどデジタルに変わって読影法自体も変わってきています.画像診断装置もMRIやトモシンセシスなどの新しいモダリティが導入されて来ています.家族性乳癌の診断・治療も話題になっていますが, ハイリスク集団に対する検診方法,モダリティについても検討が必要です.これらのことをふまえ,今回「次世代乳癌検診システム構築への挑戦」をテーマに第24回日本乳癌検診学会を開催させて頂きます.様々な分野での新しい発展について,ご発表・討議頂ければ幸いです.
シンポジウム
1.新しい検診精度管理
読影医の更新講習会での試験結果を見ると,ランクアップする人もいますが,CやDにランクダウンする人も少なからずいます.読影医の質の維持や,能力を高める教育の取組についての発表,撮影装置や読影モニターのメンテナンス等について発表・討論頂きたいと思います.
2.新しい検診システム
マンモグラフィ(MG)はデジタル化フィルムレス化が急速に進み,乳癌検診もそれに対応していかなければなりません.また,超音波検診導入の機運も高まっています.そこで,本シンポジウムでは現在の乳癌検診システムを評価したうえで,今後のあり方,特にMGモニター診断検診と超音波検診の導入の現状と問題点について討論したいと考えています.
公募一部指定
3.新しいモダリティによるスクリーニング
MRI,トモシンセシス,乳房自動超音波装置などを用いたスクリーニング,造影マンモグラフィ,造影超音波検査の役割などについて発表・討論頂きたいと思います.
パネルディスカッション
1.受診者に安心して検診を受けていただくために-マンモグラフィの線量を考える
乳癌検診にマンモグラフィが導入され,マンモグラフィ検診マニュアルも整備されました.線量からみたマンモグラフィ検診の利益,線量の測定,認定施設の線量の現状等について討議して頂きたいと思います.
2.検診で発見された境界病変の診断と治療
近年,乳癌検診でFEA,ADHなどの小さな境界病変がみつかるようになってきました.病理診断自体にも難しいものがありますが,治療する側から見ると,
診断後に経過観察するか,手術するか迷うこともあるかと思います.近年,検診による過剰診断についての報告も多く見られます.これらの境界病変の取扱いについて討議して頂きます.
3.全国集計の現状と今後の展望(演者指定)
全国集計も3回行われ,それなりの結果が出ております.しかしながらまだまだ集計数として不十分のところもあり,現状と今後の展望について学会で報告し,さらに発展させたいと思います.
ワークショップ
1.検診発見乳癌の生物学的特性
画像を用いた乳癌検診の結果では、年代をそろえても発見率が累積罹患率を大きく上回る数値が報告されています.その原因として、初回受診者では増殖速度の遅い癌が多く診断されることが考えられ,その中には過剰診断も含まれている可能性があります.一方、繰り返し受診者では発見率は累積
罹患率と検診の感度の積に近くなることが予想されます.また,発見率が高くなる要因としては,癌家族歴がある集団が受診することなどが挙げられます.以上を踏まえて、外来発見乳癌も含めた生物学的背景(病期,サブタイプ,癌家族歴など)の違いや,受診歴別、家族歴別,自覚症の有無別の発見率の比較などについて討論して頂きたいと思います.
2.ハイリスク女性に対する検診をどうするか
BRCA1・2などの遺伝子変異があれば高率に乳癌を発症することが一般の人にも認識されるようになりました.乳癌ハイリスク女性の定義,遺伝子カウンセリング,検診方法,予防的乳房切除のエビデンスなどについて討議して頂きたいと思います.
特別講演1:最先端の位相型X線撮影(東北大学多元物質科学研究所教授 百生 敦)
特別講演2:重粒子線がん治療の最前線(群馬大学重粒子線医学研究センター教授 大野達也)
乳がん検診精度管理中央機構(前精中委)10周年記念講演会
会長講演
一般口演
ポスターセッション
教育実習ブース:
MG Film Reading
MG Soft Copy Interpretation
US Image Interpretation
US Hands on
MMG技術セミナー |