第37回日本口腔診断学会 大会長挨拶

第37回日本口腔診断学会 大会長
森 啓
松本歯科大学病院 初診室(総合診断科・総合診療科)准教授

大会開催にあたって

 この度、第37回日本口腔診断学会(2024年9月28日~29日)を第34回日本口腔内科学会と合同開催することとなりました。日本口腔診断学会は昭和60年に口腔診断研究会として発足し、昭和63年に初代理事長赤松英一先生のもと、第1回日本口腔診断学会が開催されました。初代口腔診断学会理事には口腔診断学教育に造詣が深い諸先生方が務められ、それぞれの所属大学機関にて学術集会を担当されました。その中で本学が唯一学術集会を担当する機会がなく、今回その歴史ある日本口腔診断学会を開催できること、松本歯科大学病院初診室一同感無量の思いで大変光栄です。

 第37日本口腔診断学会学術集会のテーマは「医療DXにおけるartとScience」と致しました。DX(「Digital Transformation:デジタルトランスフォーメーション」とは、デジタル技術を活用し、医療の効率や質を向上させることが目的であり、令和4年に医療DX推進本部の設置が閣議決定され国を挙げ推進されている。歯科医療においてもAIを筆頭にデジタル技術の進歩には目をみはるものがあり、客観的観点言いかえればScience的な視点に注目されている。その反面医療の原則は人が人を診ることであり、最先端デジタル技術が担うpartと人が担うpartを如何に分離、融合させ良質の医療を提供できるかを考える機会を提供させて戴きたく開催テーマとさせて戴いました。

 大会プログラムは特別講演2題、教育講演2題、学会合同シンポジウムと多彩な内容を用意いたしました。

 本学の位置する長野県塩尻市は『ワインと木曽漆器のまち』であり、多くのワイナリーがあり、また少し足を伸ばせば全国的に有名な奈良井宿もあり、近隣の松本市には国宝松本城があり学会後の観光も楽しむこともできます。学会開催の9月末は暑くもなく、寒くのなく比較的過ごし易い時期となります。

 多くの皆様のご参加を心よりお待ちいたします。

第34回日本口腔内科学会 大会長挨拶

第34回日本口腔内科学会 大会長
栗原 祐史
松本歯科大学 歯学部 口腔顎顔面外科学講座 主任教授

 この度,第37回日本口腔診断学会・第34回日本口腔内科学会合同学術大会を担当させていただくことになりました.このように,歴史と伝統のある2学会の合同学術大会の大会長を務めさせていただけることを大変光栄に存じますとともに,その責任の重さを感じています.

 本大会のテーマは,「医療DXにおけるArt・Science」と致しました.医療DXとは,厚生労働省推進チームによる「医療DX令和ビジョン2030」においては,その方向性を国民による自らの保健・医療情報への容易なアクセスを可能とし,医療の効率的かつ効果的な提供により,診療の質の向上や治療等の最適化を推進すること,また,医療情報の適切な利活用による創薬や治療法の開発の加速化により,関係する分野の産業振興につながることや,医療のデジタル化による業務効率化等が期待されるとされております.私はさらに,医療DXとは,これまで多くの諸先輩方が培ってこられた知識や技術をデジタル化して応用・保存することで,安全性や正確性が向上し,さらなる口腔医療の発展に寄与するもの,また,これから口腔医療に携わるすべての次世代の若手医療人に継承していくツールとして大変有益なものとして考えております.そのために,本大会は口腔医療にかかわるさまざまな分野の知を統合し,社会と共にこれからの口腔内科学を創り上げていくよう準備を進めております.

 本大会は,2024年9月27日~9月29日に松本歯科大学にて開催いたします.9月の塩尻市はぶどうの収穫時期であり,大学周囲には多くのぶどう園があり,町全体がぶどうの香りが漂うよい季節です.最寄り駅である塩尻駅には日本で唯一「ホームにあるブドウ園」があり,見ごろとなっております.また,近郊には松本城,上高地,奈良井宿などの観光スポットもあり,信州の多くの味覚を味わうこともできます.わが国では現在,ポストコロナの時代となっておりますが,今なお学会などの開催にはさまざまな制約があります.できるだけ多くの会員の皆様にご参加いただき,活発な議論を通して,これからの診療・研究にお役立ていただけるよう努めてまいりますので,どうぞよろしくお願い申し上げます.

実行委員長挨拶

実行委員長
内田 啓一
松本歯科大学病院 初診室(総合診断科・総合診療科)教授

この度、第 37 回日本口腔診断学会 ・第 34 回日本口腔内科学会 合同学術大会を松本歯科大学で開催されていただくことになりました。日頃より、日本口腔診断学会ならびに日本口腔内科学会の諸活動にご尽力いただき、心より御礼申し上げます。合同学術大会を開催するにあたり,ご挨拶を申し上げます。

 今回の合同学術大会では、メインテーマとして〝医療DXにおけるArt・Science〟を掲げました。医療では,サイエンスとアートの重要性がしばしば言われております。医療で言うサイエンスとは,的確が診断、そして適正な治療を行うために、先人達により積み重ねられた膨大な知識や技能だと思います。この膨大な知識や技能は、現在はAI技術やゲノム医療などの最新医療により大きく変貌しようとしております。合同学術大会では、特別講演、教育講演、大会長基調講演、シンポジウム、口述発表、ポルタ―発表などを通じ、様々な立場からの情報発信や活発な討論の場となることで、日本口腔診断学会ならびに日本口腔内科学会の新たな診断学Art・Scienceの進むべき道筋を考え、着実に歩みを進めるための推進力となればと願っています。

 最後に,本学会を開催するに当たり協力を頂きました学会関係者をはじめ,会場確保が困難な時期に,会場を提供くださいました松本歯科大学に厚く御礼を申し上げます。学会での交流は学問の原動力となりますので、会員の皆様と共に,Art・Scienceの探求を模索出来れば幸いです。

 本学会が,会員の皆様にとって有意義で思い出深いものとなりますことを祈念し,ご挨拶とさせて頂きます。