会長挨拶

会長

日本小児看護学会第37回学術集会 会長
江本 リナ

日本赤十字看護大学看護学部・看護学研究科

 このたび、一般社団法人日本小児看護学会第37回学術集会をパシフィコ横浜にて開催させていただくことになりました。学術集会長として、皆様にご挨拶申し上げます。

 こどもと家族は、地域という暮らしの場の中で日々を営み、成長・発達していきます。

 しかし現代社会においては、経済格差や教育格差、いじめ、虐待など、こどもと家族の暮らしを脅かすさまざまな課題が存在しています。そのような中で、こどもと家族が健やかに暮らしていくためには、医療・保健・福祉・教育が互いにつながりながら支えていくことが重要です。

 看護は医療機関の中に留まらず、福祉施設、クリニック、病院、こども園・保育園、幼稚園、学校など、多職種と協働しながらこどもと家族の暮らしの中に存在しています。

 一方で、「小児専門病院ではない」「混合病棟で働いている」「病院ではなく地域や福祉の場で活動している」「小児領域に携わり始めたばかりである」「成人病棟だが、患者の家族(こども)に関わりたい」といった理由から、自らの実践を“小児看護”として語ることに戸惑いを感じている声も少なくありません。しかし、こどもと家族を支える看護は、あらゆる場に確かに存在しています。むしろ、地域の中にある看護こそが、こどもと家族の生活を支える最前線であるとも言えるでしょう。

 本学術集会のテーマである「Journey ― ともに歩む ―」には、あらゆるこどもとともに、家族とともに、そして、多職種や仲間と支え合いながら歩むという思いを込めています。また、“Journey”には、これまで積み重ねてきた実践を礎に、今を見つめ、これからの未来へとつないでいく歩みという意味も重ねています。

 小児看護は、特定の場所や専門領域だけに存在するものではなく、こどもと家族の暮らしがあるところに広がっています。それぞれの場で実践されている看護には、こどもと家族がその人生を生き生きと暮らしていけること、そのためにこどもと家族の傍らから支えともに歩んできた力があります。

 本学術集会が、多様な実践を認め合い、それぞれの経験や思いを分かち合いながら、こどもと家族、そして支援者同士がともに歩むこれからの小児看護について考える機会となることを願っています。

 このような思いを抱き、企画者一同、皆様にお会いできることを心待ちにしております。