ご挨拶

第46回日本骨形態計測学会
会長 
疋田 温彦

東京大学大学院医学系研究科 臨床幹細胞生物学講座

この度、第46回日本骨形態計測学会を2026年6月18日(木)-6月20日(土曜)に、一橋講堂(東京都)で開催させて頂くこととなりました。

骨形態計測ワークショップを起源とする本学会では、これまで骨形態計測法の普及および継承に努めてきました。また、骨の形態をミクロレベルからマクロレベルまで解析可能な様々なモダリティが開発され、これらの新規技術による骨形態解析に関しても発表されるようになりました。

一方、近年では空間トランスクリプトーム解析、空間オミックス解析などの、空間情報を加味した遺伝子・タンパク発現解析も盛んに行われています。今回、大会テーマを「空間情報を解き明かす」としました。その意図としては、形態情報は二次元、三次元の空間情報として捉えることが可能であることに加え、「形態」という言葉に拘らず、より広い意味での空間情報にも目を向けて行ければとの思いがあります。また、これらの解析で得られる複雑で膨大な形態情報、空間情報を解析し、意味づけを行う上で、近年爆発的に普及しているAIは大きな力になると考えています。

臨床面に目を向けると、超高齢社会が進行する本邦、さらには全世界において、骨粗鬆症は克服すべき大きな課題です。これまでに産業界とアカデミアとの協業を通じて様々な薬剤が開発され、骨量の改善を通じた患者のQuality of lifeの向上に大いに貢献しています。しかし、骨質を劇的に改善する方法はまだ確立されておりません。本学会が骨代謝に対する理解を深める機会となり、骨粗鬆症に対するより良い治療法の確立に貢献できることを願っております。

本学会は比較的コンパクトな集まりで、少々マニアックな演題が多く、また基礎(生物学、薬理学、工学、医学など)から臨床(腎臓・内分泌・代謝内科、整形外科、歯科・口腔外科など)まで多様なバックグラウンドの方が参加され、個人的に非常に楽しみにしている学会です。本学会においても、上記に加えて様々な分野の方にご参加頂けますと幸いです。

第46回日本骨形態計測学会
会長 疋田 温彦