第21回免疫治療学会の開催に寄せて（2024）

　このたび，第21回日本免疫治療学会（JRAI）学術集会を2024年5月18日（土曜）に福島市のコラッセふくしまにて開催させていただくことになりました．この素晴らしい機会をいただき，中面哲也理事長をはじめ，理事の皆様，そして会員の皆様に心より感謝申し上げます．
　W. Coleyらが初めての免疫治療を実践してから100年余，免疫治療の分野は急速に進歩し，新たな治療法や研究成果が日々示されています．私が専門とする肺癌領域においてもこの進化は著しく，進行癌はもちろん，局所進展型の肺癌に対する放射線治療との併用，そして周術期治療にも免疫治療が組み込まれるという予想もしなかった時代を迎えています．我々はこの進歩を共有し，研究者，臨床医そして企業関係者の垣根を越えて協力し合い，免疫治療のさらなる発展に継続的に寄与する責任があると考えております．この意味で，本学会はこれまでの20年の間，極めて大きな貢献をしてきました．そしてこれからもこの使命は変わることはないでしょう．
　本会のテーマは「竿頭進歩〜免疫治療学の新時代へ〜」とさせていただきました．竿頭進歩とは，禅に由来する言葉で，竿の先端（すなわち最先端）にいてもなお進歩を続ける気概と努力が必要である，と理解されています．まさに本学会はこの領域の最先端を歩んできましたが，決して留まることなく進歩を続けよう，とのメッセージです．
　英語で20年をScoreと表現することがあるようです．語源は数を刻む，ということだそうですが，まさに本学会は免疫治療において大きな足跡を刻んできました．そして2024年の開催は新たなScoreの始まりでもあります．新時代に向け，確かな歴史の1ページを刻むにふさわしい会にしたいと考えております．
　本学会はこれまで東京で開催してきましたが今回は初めての地方開催となり，我々の本拠地である福島市での開催となりました．5月の福島は新緑溢れ，沢山の花々が咲き乱れる季節です．また会の合間には福島の美味しい食材と美酒にも触れていただければ幸いです．この良い時期にぜひ当地に足を運んでいただき皆様と熱い議論を交わしたい，と願っております．
　教室員一同，皆様をお迎えすべく鋭意準備を進めておりますので，ご参加のほど何卒よろしくお願いいたします．