ご挨拶

第48回日本神経内分泌学会学術集会

会長 尾仲 達史(自治医科大学 生理学講座 神経脳生理学部門)

 第48回日本神経内分泌学会学術集会を2022年10月29日(土)、30日(日)の2日間にわたり自治医科大学教育研究棟(栃木県下野市薬師寺)を会場として開催します。自治医科大学が本学会を担当するのは第26回の齋藤寿一先生(内分泌代謝学)に続き2回目となります。
 今回、学術集会のメインテーマを「神経内分泌学から見た心と体」とし、神経内分泌学の多彩な面を捉えることを目指し、プログラムを組みました。
 特別講演には、箕越靖彦先生(生理学研究所 生殖・内分泌系発達機構研究部門)をお迎えし、エネルギー代謝の最前線をご講演賜ります。教育講演には、基礎系からは神経ペプチドの働きをメダカを使って次々と解明されてこられた竹内秀明先生(東北大学大学院 生命科学研究科)にお願いし、臨床系からは脳画像解析の世界的権威である須原哲也先生(量子科学技術研究開発機構 量子生命科学研究所)から最新の画像解析について分かり易くご講演を賜ります。
 また、話題の研究として老化研究の第一人者の黒尾誠先生(自治医科大学分子病態治療研究センタ、抗加齢医学部門)からこの領域のフロントを紹介いただきます。
 シンポジウムには、基礎系の若手中堅シンポジウムとして「神経内分泌学の学際的研究を目指して」と題し、神経内分泌学の境界領域でご活躍の若手・中堅研究者をお招きしています。
 また、基礎・臨床シンポジウムとして、「サイエンスは脳と心のどこにまで迫れるか」という題で、臨床、基礎、社会医学のそれぞれの第一人者からお話しいただきます。どうぞ一緒に議論いただければと存じます。そして、臨床系シンポジウムには神経内分泌学のコアテーマである「下垂体腫瘍の最前線」について話していただきます。
 神経内分泌学が扱う領域は多岐にわたっており、その範囲は日々広がっています。今回、特に境界領域にも視点を向けさせていただきました。
 神経内分泌学は幅広い領域にわたっており、これらの領域に世界的な成果を出されておられる研究者が日本に数多くおられます。本集会に参加され、それぞれの領域の研究者と直に議論することで学際的研究、共同研究に発展するきっかけとなればありがたいと存じています。
 2026年に、名古屋で国際神経内分泌学会が開催されることが決定されています。日本の神経内分泌学がさらに発展していければと存じます。
 ウイズコロナ時代にふさわしい有意義な集会となるよう精一杯努めています。どうぞ、健やかな秋空の下で、この2日間を楽しんでいただければと存じます。一人でも多く皆様にご参加頂けましたら幸いです。