ご挨拶
第37回JCIC学術集会
日本先天性心疾患インターベンション学会学術集会
会長 髙室 基樹
北海道立子ども総合医療・療育センター(コドモックル)センター長
拝啓
時下、皆様にはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
この度、令和9年1月、第37回日本先天性心疾患インターベンション学会(JCIC)学術集会を主催させていただくこととなりました北海道立子ども総合医療・療育センターセンター長の髙室基樹と申します。まずは、会長にご推薦頂いた学会幹事の先生方並びに主催をお認め下さった会員諸氏の皆さまに厚く御礼申し上げます。本会の札幌市での開催は恩師で本学会顧問である昭和医科大学の富田英先生が1997年1月に札幌医科大学講堂で開催した第8回JPIC研究会以来30年ぶりとなります。歴史ある本学術集会を担当することは、大変光栄であると同時に、その責任の重さを痛感しております。
さて、この30年を振り返るとテクノロジーの進歩によるデバイスの進化にともない治療法は益々複雑化しており、適応、手技の実際も含め、小児循環器内科、心臓血管外科、新生児科、麻酔科、小児集中治療科に加え、診療放射線技師や臨床工学技士、生理機能検査技師など多職種の参画によるチーム医療が当然のこととなって参りました。カテーテル治療は往々にして「傷が小さい」「負担が少ない」など低侵襲性にスポットを当てた長所が強調される傾向にありますが、安全性を犠牲にしてはいけないことは自明であります。本学会会員の施設では、日々、安全で効果的な治療を目指して知見と研鑽を積んでいるものと確信しておりますが、それでも複雑な手技の実施においてはときに思わぬトラブルに遭遇することもございます。こうした点を十分に議論できるよう願いと決意を込めて、本学術集会のテーマを「後の先(ごのせん):有備無患と個の力」と致しました。一般にはなじみの薄い言葉と思います。「後の先」の後は「後手」先は「先手」を意味します。つまり「後手」から始まった不利な状況で「先手をとったかのように」機先を制し、有利な状況に持ち込む心得でありこれに至る技術・技倆はまさに「達人」レベルを表現する言葉といえます。元名横綱の故・北の富士氏が大相撲中継の解説で横綱相撲を賞賛する際、度々使っていた武術用語です。
本学術集会は、小児および成人の先天性心疾患に対するインターベンション治療に携わる医療従事者が、新たな技術や治療成果を発表・討論する貴重な場です。プログラムは今後学会各委員会役員の先生方とご相談の上、検討して参りますが、今回は「カテ室の兵站(ロジスティクス)」について話し合う機会を設けたいと考えています。私どもの施設は札幌という土地柄、治療機材のほとんどを空輸による搬入に頼っております。冬場はとくに天候不順による航空機欠航も多く、カテ室でやきもきしながら機材の到着を待つことも少なくありません。同様の経験をお持ちの全国の先生方と経験を共有し、メーカー、流通に携わる企業の方々からのご意見も頂戴できれば幸いです。
また、私は本学会のほかに、日本小児心電学会の幹事も併任しており、近年本学会での発表が少なくなってきた感のある不整脈に対するカテーテルアブレーションの演題も積極的に採用したいと考えております。
1月の札幌は厳冬期ですが、札幌雪まつりの雪像製作も始まっております。ライトアップなどはされていないでしょうが、迫力は感じられるのではないかと思います。多数の皆さまを札幌にお迎えできるよう準備を進める所存です。
前述のごとく悪天候に伴う飛行機の欠航や鉄道の運休も珍しくないことから、充分な防寒を準備して旅程に余裕を持ってお越し下さい。全国から多数の先生方のご参加をお待ち申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。
本会が発信する情報が、日本のみならず世界のカテーテル治療の発展に寄与することを切に願っております。
敬具
2026年3月吉日
