会長挨拶

一般社団法人 日本家族看護学会 第34回学術集会 学術集会長
池田 真理
東京大学大学院医学系研究科 家族看護学分野 教授


東京大学大学院医学系研究科 家族看護学分野 教授
この度、「日本家族看護学会第34回学術集会」を令和9年8月28日(土)・29日(日)の2日間にわたり、東京都有明のTFTホールにて開催させていただく運びとなりました。現在、学術集会の開催に向けて鋭意準備を進めております。
現代の家族は、社会構造の変化、価値観の多様化、疾病や障害、喪失、生活の転機など、さまざまな危機やゆらぎの中を生きています。家族はそのたびにゆれ動きながら、もとの姿に戻るのではなく、新たなかたちへと変容し、前へ進む力を育んでいきます。そのプロセスには痛みや葛藤が伴うこともありますが、同時に、希望や幸福感を再構築する可能性も秘められています。
本学術集会では、こうした「変わりゆく家族」の歩みに寄り添い、看護がどのように家族のレジリエンスを支え、共に未来を創っていけるのかを、多角的に検討したいと考えております。そこで、テーマを「ゆらぎを抱えながら変わりゆく家族とともに」といたしました。
家族を研究することは、個人と関係性、歴史と感情、社会的背景が複雑に絡み合う難しさを伴います。しかし、その難しさこそが家族看護学の豊かさであり、挑戦し続ける価値のある領域です。
本学術集会では、家族研究の新たな方法論や視点を共有するとともに、2024年に策定された本学会のグランドデザインの現在位置を確認するなど、次のステップを共に描く機会にしたいと考えております。
さらに、家族を支えるのは医療者だけではありません。地域社会、教育、福祉、心理など多様な専門職、そして市民が共に家族を支えるコミュニティを築くことが求められています。そのため、市民公開講座では、疾病の有無にかかわらず、誰もが自分らしく生きられる「インクルーシブな社会」をテーマに、家族と社会の新しい関係性について考える場を設ける予定です。家族のゆらぎを支える社会の包容力を、参加者とともに探求したいと考えております。皆様のご参加を心よりお待ちしております。