大会長挨拶
このたび,2022年12月2日(金),3日(土)に,東京都千代田区の一橋講堂を会場に第30回日本産業ストレス学会を開催させていただくことになりました。
日本産業ストレス学会は,産業ストレスに関する研究の推進,現場における対策の普及,情報提供および関係者の交流の場として1993年に設立され,2022年で創立30周年を迎えます。
この30年間,産業ストレスの研究と実践は大きな変貌を遂げました。
例えば,技術革新の進展,メンタルヘルス指針の策定,長時間労働対策の推進,精神障害の労災認定基準の策定,ストレスチェックの実施など。
近年は,新型コロナウイルス感染症の影響によるテレワークや在宅勤務などの働き方の変化や,ギグワークの拡大など,従来の産業ストレス対策の枠組みでは対応が困難な状況も生じつつあります。
このような背景も受け,日本産業ストレス学会は,2019年11月に将来構想委員会を設置し,学会の10年後のあるべき姿について検討を行ってまいりました。
その結果,「日本産業ストレス学会の10年後のあるべき姿(大目標)」4点,および,「あるべき姿を実現するための目標(小目標)」15点がまとめられました。
報告書では,各小目標に対して,現状と課題,小目標を実現するための具体的方策,到達目標,担当する委員会候補などがまとめられております(詳しい報告書の内容については学会ホームページをご参照ください)。
本大会は,今までにない新たな産業ストレス対策の構築を企図するとともに,当学会の将来構想を実現するための第一歩として位置付けられるものと捉えられます。
大会開催時の感染症等の状況はまだ見通すことができませんが,可能であれば久しぶりに一橋講堂に皆で集まり,日本産業ストレス学会,さらには日本の明るい未来のために,議論を深められる場となることを期待しております。
なお,12月2日(金)は,日本産業ストレス学会創立30周年記念式典が開催されます。
記念式典では,シンポジウムと祝賀会が開催される予定です。第30回日本産業ストレス学会にお越しいただく皆様は,ぜひ創立30周年記念式典にもご参加ください。