会長挨拶

第45回 日本乳腺甲状腺超音波医学会 学術集会
会長 梅本 剛(医療法人慶友会 守谷慶友病院 乳腺科)

 このたび、第45回日本乳腺甲状腺超音波医学会学術集会(JABTS45)の会長を拝命いたしました、医療法人慶友会 守谷慶友病院の梅本 剛です。JABTS45の開催にあたり、ご挨拶を申し上げます。

 まずは新型コロナウィルス感染(COVID-19)に罹患されたみなさま、ご関係のみなさまにお見舞いを申し上げます。
 また、COVID-19医療の最前線にて対応に追われる会員のみなさまに、こころからの感謝を申し上げます。

 JABTS45学術集会のテーマは、『原点から飛躍へ』といたしました。
 ご存じのとおり、JABTSの歴史は、第1回日本乳腺甲状腺超音波診断会議(1998年10月:つくば)の開催にその端緒を発します。私自身とJABTSとの関わりの原点は、JABTS17(2006年11月:福岡)にて報告した、「非典型的な超音波画像を呈した粘液癌症例」を病理組織像と対比した検討であり、まだまだ新参者であります。以来、継続的に行ってきた演題発表に対して、みなさまにいただいたご質問やコメント、討議の数々は、私を成長させてくれました。あらためまして、感謝を申し上げます。
 組織としてのJABTSは、近年特定非営利活動法人(NPO法人)から一般社団法人へと発展を遂げ、活動の場をさらに広げてきております。JABTSの特長として特筆すべきは、つねに新しい試みや技術を取り入れる柔軟さと、超音波医学に関する経験や世代背景を問わず自由闊達な議論がなされる寛容さが、共存する風土にあると感じております。今回JABTS45では、学術集会の原点である「ともに学び、おおいに討論し、はばひろく共有する」を副題に、参加くださる会員のみなさまには、JABTS45の全演題を視聴いただけるよう、構成をすすめております。ぜひ、各演題にたくさんのご質問やコメントをお寄せいただき、各演者の、ひいてはJABTSの、さらなる成長をサポートいただきたく、お願い申し上げます。

 JABTS45学術集会の会期は、2020年(令和2年)9月19日(土)、20日(日)といたしました。
 当初JABTS45は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の余韻がまだ残る(であろう)この時期に、つくば国際会議場(エポカルつくば)を会場とした通常形式の開催をめざし、会期日程を定めました。しかしながら、昨今のCOVID-19の拡大やその動向、医療・社会的状況に配慮し、『完全オンライン(WEB)開催』へ向けて、おおきく舵をきることといたしました。
 オンライン開催は、JABTSとしてはもちろん初めての試みであり、また、おもに医用画像をあつかう学術集会としても、挑戦的な取り組みであります。JABTS45では、「ライブストリーミング形式」の配信にて、座長・演者の討論に対してライブ配信中に質問が可能な仕組みを取り入れるとともに、「オンデマンド形式」の配信にて、すべての参加者に、お好みの時間や場所から、全コンテンツを視聴いただけるよう準備をすすめております。「超音波画像を主題とする学術集会は、オンライン開催でも知識の共有や学術的成果を生み出せるか」、JABTS45そのものをおおきな実証研究の場とも位置づけ、今回の開催により得られる新しい知見をJABTSのさらなる飛躍の一助とすべく、みなさまのお力添えをいただきたく、お願い申し上げます。

 最後にJABTSの将来を見すえ、さらにすそ野を拡げ、底上げをはかる事も重要と考えます。
 JABTS45学術集会では、これからさらに飛躍をいただきたいみなさまにお願いし、いくつかの企画を組ませていただく予定です。また、学術集会への参加にはJABTS会員としての事前登録が必要となりますが、とくに初めての参加・発表となるみなさまから、超音波画像の成り立ちやアーチファクトなど、超音波像と病理像の対比にて小さな発見や気づきがあった症例のご報告を、ひろく募りたいと考えております。さらに、COVID-19の拡大を受け、誌上発表扱いとされているJABTS44企画の数々にも着目し、ご研究の成果をひろく発表いただける場を設けたく、構成をすすめております。

 COVID-19の収束まで、まだまだ長い時間を要するものと考えられます。
 この難局を変革のチャンスに、COVID-19の収束後もみすえ、新しい学術集会のありかたを模索し、JABTS45学術集会を原点に、みなさまにさらなる飛躍をいただけるよう、すすめてまいりたく存じます。

 至らぬ点もあるかと思いますが、みなさまのちからをお借りしながら、有意義な会に作り上げてまいりたく存じます。
 日本全国各地から、多くのみなさまのご参加を、こころよりお待ち申し上げております。