そして、前回の第10回静岡大会では、10年間の集大成として、「在宅医学」というタイトルの教科書が発行され、一つの節目を迎えました。本学会の生みの親である佐藤智先生の「在宅医学」の文章には、「在宅医療は医師のみで完結するものではなく、看護師、リハビリ職員などと協働することで成立することは重々承知しているが、混乱を避けるために医師だけの集団で本学会を始めた」と、書かれています。
そこで、10周年を終え、立派な教科書も完成し、新しい時代に突入する第11回大会では、医師だけの集まりから一転して、“多職種連携”を主テーマにしました。“多職種連携”で行う褥瘡治療や栄養管理(NST)、口腔ケアなどをテーマに挙げます。また、“多職種連携”のメンバーや介護者の多くは女性で、在宅ケアの分野では、ジェンダー問題(社会的性差別問題)は避けて通れない問題です。そこで、在宅ケアとジェンダーの問題もテーマの一つとして取り上げました。現在の混乱した日本社会を救うのは人口の半分を占める女性がキーワードと考えます。奇しくもNHK大河ドラマの“篤姫”誕生の地鹿児島にふさわしいテーマかもしれません。
昨年度末(2008年3月29日)には、佐藤智先生を会長とする、全国在宅療養支援診療所連絡会が誕生し、今年度は在宅医療普及元年の年になると考えます。今年度末に行われる本大会が、在宅医療普及元年の総括になるような会になれば、と願っております。明治維新発祥の地であります当地鹿児島が、再び、医療、介護、教育、地域社会をキーワードとした日本国の平成維新の地となることを切望して、本大会を開催したいと思います。
多職種の皆様のご参加をお待ちしておりますので、お誘い合わせの上、是非鹿児島の地に多数おいでいただければ、幸いです。また、直接顔を会わす懇親会(城山観光ホテル)も大きなイベントと考え準備致しますので、懇親会への多数のご参加もお待ちしております。 敬白
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