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日本異種移植研究会
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第23回日本異種移植研究会
当番世話人 角 昭一郎
(京都大学 ウイルス・再生医科学研究所 臓器・器官形成応用分野 准教授)

   京都で日本異種移植研究会が開催されるのは、第7回の吉村了勇先生(京都府立医科大学 移植・再生制御外科)、第15回の岩田博夫先生(京都大学 再生医科学研究所)、第19回の上本伸二先生(京都大学 肝胆膵・移植外科)に続き4回目となります。始まった頃の異種移植は異種のハードルが非常に高くて、実際の医療応用に至るまでには気が遠くなるような時間と研究が必要であろうと思われていたのですが、最近では、例えば、異種(実際にはブタ)膵島移植では、マイクロカプセル化異種膵島の臨床研究がニュージーランド・アルゼンチンなどで行われる様になり、韓国では、免疫抑制の研究が進んで、カプセル化していない異種膵島移植が行われる準備が整ってきています。また、最近のゲノム編集の進歩によって、ヒトへの移植に適した多様な遺伝子改変ブタが作出されたり、ヒト細胞でできた組織や臓器をブタの体内で作り出す研究も進んでいます。この様な状況を見ると、異種移植はすでに研究の段階から実際の臨床へと進む段階に来ていることは明らかです。
 一方で、ヒト臨床に応用するためのブタは感染症などの心配がないことが必要不可欠です。この様な「きれいなブタ」は、その概念はDesignated Pathogen-Free (DPF)ブタとして出来上がっており、米国ではこれを作出する施設が樹立されたとの報告もありますが、我が国ではまだまだ未成熟な段階に止まっています。ブタ内因性レトロウイルス(PERV)の問題は、今までにヒトへの感染が起こってないことから、厳重なモニタリングで対応できるとして、DPFブタの供給を我が国でどう実現していくかも重要な課題と思われます。
 今回、「異種移植 研究から臨床へ!」というテーマを掲げさせていただきました。従来から行われてきた研究の成果はもちろんのこと、新たな臨床応用を目指した取り組みや、「きれいなブタ」の安定供給を目指した動きなど、異種移植を実際に行おうとする方々に広く演題を出していただき、建設的で意義のある研究会にしたいと存じます。皆様のご支援、ご鞭撻を心から希望する次第です。