第40回重症心身障害学会学・学術集会開催が一月先に迫って参りました。口演134演題、ポスター発表123演題合わせて257演題、内容も幅広く多くの職種の方々より登録いただきました。また急遽取り上げましたシンポジューム「利用者の権利・最善の利益と治療方針決定 ~重症心身障害医療における家族・医療現場の思いとディレンマ~」に関して学会員からご意見を頂きシンポジストを決めさせていただきました。問題提議をされた施設・医療現場の立場から麻生幸三郎先生(愛知県心身障害者コロニー こばと学園)、利用者の保護者の立場からは広島在住の児玉真美さんにお願いいたしました。児玉さんは重度の重複障害を持つ娘さんを育てながら、医療や施設さらには福祉施策のあり方など当事者として正面から向き合われ、2007年「アシュリー事件」に遭遇され「重度障害のある子どもの医療をめぐる意思決定の倫理問題」を新たな視点から考えられてこられました。また倫理面から宮坂道夫先生(新潟大学大学院保健学研究科)に重症心身障害児者の医療的判断など、その決定過程の困難性を通じた「本人の価値観」を代弁しうる人を誰なのか・どうあるべきかなど現実の臨床でのジレンマの解決があるのか述べていただきます。またコメンテーターとして多くの障害者・高齢者の成年後見人を経験されている弁護士の新谷正敏先生(京都弁護士会所属、龍谷大学法学部非常勤講師)には法律家の立場からアドバイスを頂きます。座長にはびわこ学園の高谷清先生と島田療育センターはちおうじの小沢浩先生にお願いしています。このシンポジューム後の口演セッションでは現場の対応事例等関連4演題も組んでいます。皆様方の忌憚のない積極的な議論をお願いいたします。
今回の学術集会は口演会場4カ所、ポスターセッションは3会場設定しています。プログラムに掲載しているようにシンポジュームが4課題と多く、タイトなスケジュールとなりご迷惑をおかけしますが、多くの方々に参加いただき実り多い学会に出来ればと思っています。多くの会員の皆様方のご参加をお待ちしております。
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