2018年の第23回小児心電学会学術集会は古都奈良で行います。今回のテーマは“臨床に活かす心電学”といたしました。
安静時心電図は安価で簡便に行える検査のうちの一つですが、そこからはたくさんの情報を得ることができます。心臓調律だけでなく、刺激伝導系の位置や異常、心筋性状や突然死のリスク評価など、その情報は多岐にわたります。1903年に心電図が発見されて100年以上が経過していますが、いまだに新しい知見が報告されていることにも驚きがあります。突然死との関連が疑われるJ波や、心筋線維化との関連が疑われるfragmented QRS complexはずーっと昔から、心電図上には存在していたはずなのに、近年になって大きくとりあげられております。さらに、安静時心電図から波及して、運動負荷心電図・ホルター心電図・ループレコーダー・加算平均心電図、心磁図、カテーテルによる心内電位等、その進歩は目覚ましいものがあります。
これらのmodalityをどのように臨床に活かし、患者様の治療にあたるか、日々の修練と知識の共有が必要です。小児心電学会は、小児循環器領域の心電学に関して、臨床に即して討論できる全国レベルの唯一の学会です。日常診療で困っている症例報告からup to dateな話題まで、毎年、様々な話題が提供され、参加されている皆様で知識を共有できる学会であります。心電学を専門とされているか否かは重要ではなく、若手からベテランまで学ぶところが多い学会であります。皆様、こぞって学会に参加していただき、みんなで熱く討論しようではありませんか!
会場周囲の古都奈良には8つの世界遺産があります。東大寺・興福寺・春日大社・元興寺・薬師寺・唐招提寺・平城旧跡・春日山原始林です。なかでも、みなさんにあまり知られていない世界遺産・元興寺とその周辺の町並みが個人的にはお気に入りです。2018年は元興寺創建1300年にあたります。会場からは徒歩圏内ですので、是非のぞいてみてください。
奈良でみなさんとお会いできるのを心待ちにしております。 |