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 学会員の皆様におかれましては、益々ご清祥のことと拝察申し上げます。この度、第57回日本熱帯医学会大会長を努めることになりましたので、ご挨拶をさせていただきます。
  第57回日本熱帯医学会大会は、平成28年11月5日(土)、6日(日)の2日間、一橋大学一橋講堂(東京)において開催することになりました。
  近年、グローバル化時代にあって、わが国が経験の少ない熱帯感染症が頻繁にわが国に侵入し、あるいは侵入する危険性が高まっております。2014年には70年ぶりに国内デング熱の流行が東京都内で発生し、社会的な問題となりました。また、2014年に西アフリカで発生したエボラ出血熱が歴史上最大の感染者数及び死亡数を数え、わが国でも疑い患者に対する検疫体制が強化されました。また、2015年5月には中東地域からの帰国者を発端とした韓国でのMERS流行が発生し、わが国でも国内患者発生時の医療体制を強化しておりまた。さらには、2015年以降にブラジルをはじめとする中南米、カリブ海諸国やアジア・西太平洋地域においてジカウイルス感染症の流行地域が急速に拡大しています。また、本疾患に関連した合併症としてのギラン・バレー症候群や胎児の小頭症の報告の増加について2016年2月にWHOは緊急事態宣言を宣言しました。
  国立感染症研究所では、その中心業務としてこれらの国際的脅威となる感染症対策に取り組んでいるところです。このような世界的な状況と国立感染症研究所の立ち位置を鑑み、第57回日本熱帯医学会大会のテーマを“グローバル化時代の感染症と熱帯医学”と位置づけ、大会運営を進めて行く所存です。つきましては、学会員の皆様には本大会への積極的な参加とご協力を宜しくお願い申しあげる次第です。


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