このたび第20回日本胎児心臓病学会を担当させていただくことになりました。第1回の研究会が長野県立こども病院の講堂で開催されてから20年が経過し、胎児心臓病の分野にも大きな進歩と変革が起こってきています。STIC、3D、不整脈の診断など診断技術が進歩し、胎児心臓病診断ガイドラインが発表され、胎児心エコー検査が保険収載され、さらには胎児治療が現実的なものになりつつあります。初期のころの胎児心エコー検査は、小児循環器医が行っていた非常に専門的な検査でありましたが、現在は多くの産科の先生がスクリーニングで活用していただくようになり、ほとんどの重症疾患が出生前に診断されるようになりました。これに伴い、小児循環器だけでなく、産科、新生児科、麻酔科、心臓外科、看護師、助産師、臨床検査技師、臨床心理士、ソーシャルワーカーなど多職種が胎児心臓病の診療の関わるようになり、チームとして有機的に協働することが重要になってきています。「胎児と家族の幸せのために」という理念は、20年前も現在も変わることはありません。
今回の学会では、設立当時の理念のもと、この20年の進歩を俯瞰しつつ未来へつながるようなdiscussionができればと思います。明日から胎児心エコーは始められる初心者向けの教育セミナー、グリーフケアなどの家族支援、重症児の出生後の治療、遠隔診断など、多彩な内容を用意し、多くの職種の方が参加できるような学術集会にしていきたいと存じますので、たくさんの方のご参加をお待ちしております。
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